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笑い飯・哲夫が自身初の本格青春小説『銀色の青』について語る!「改めて読んで、時間返せやって思いました」

今年11月に初めての本格青春小説『銀色の青』(サンマーク出版刊)を発刊した笑い飯・哲夫。

本著は、そこそこの進学校に通う高校生・田中清佐(きよすけ)が、ある日、クラスメイトで野球のエースピッチャー・ベースに100円を貸したことから始まる物語。思春期ならではの心の葛藤、友達との距離感など細かやな心の機微が繊細且つ緻密に描かれた1冊となっています。

よしもとニュースセンターでは、笑い飯・哲夫を直撃。発売から1ヶ月以上経った現在の心境、そして本著への思い、読書家として知られる彼が思う本のよさなど余すところなく語ってもらいました。
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――発売前は小説を出すこと自体を随分と恥ずかしがっていた哲夫さんですが、時間が経って心境に変化はありましたか?

「今はもう諦めている感じですね。いつも例えていることなんですけど、風呂場で自作の曲をカッコつけて歌うてて、あがった時に母親から『あんた、歌うまいやん』って言われるのって、めっちゃ恥ずかしいじゃないですか。まさにそういう気分やったんですけど、今は全然知らん人から面白かったと言われるようになったので、恥ずかしい気分がだんだんマシになってきました。桂吉弥さんっていう落語家さんや本を渡した後輩がめっちゃ面白かったって言うてくれてますし、いろいろと反響もチェックさせてもらってます。売れ残るのがいちばん嫌なんで売れ行きや評判が気になって、めっちゃ検索するようになりました」

――そんな心配をよそに、書店からの評判がよくて初版からすぐ増刷されたと伺いました。

「最初に1万部刷ったと聞いて、えぇ、1万?って驚いてたんですけど、増刷になりまして。本屋さんが置いてくれるんはありがたいんですけど、売れ残るんちゃうかと未だに心配です」

――小説についてはいかがですか。発売して少し経ったので、また違う気持ちが湧いてきたんじゃないかなと思いますが。

「製本されたもので読み返してみたんですけど......おもろいですねぇ。後味ゼロにしたい、なんでこんなん読まなあかんかったんやっていうのが最終的な読後感になればいいなと思ってたんですけど、自分で読んでみて"時間返せや"と本当に思いました」

――ははは! 確かに......最後までにいくと、そんなことだったの?感は持ちました。

「そうでしょう。全然読む価値ないやんって思うというか、そこを目指してたんです」

――普通、小説を書くとなると形として残る分、価値あるものにしたいと思いそうですけど、哲夫さんはそうではなかったんですね。

「えぇ。価値のある本をいろいろと読ませてもらっているので、自分がそんなところに乗り込むなんてことはできないなと。やから、真逆にいった感じですね」
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――高校生が登場するお話は、どういう経緯で決められたんですか。

「出版社さんとの打ち合わせで後味ゼロのものや時間を返せってなるものを描きたいという話をしている中で、貸した100円を返してくれへんってずっと悩むしょうもない話にしようということになって。そういうことで悩むのは高校生かなというところからの自然な流れで、こうなりました。100円って返してくれんでもええやんってなりそうでもあり、返してほしいなって思う金額でもあるっていう、あるあるですかね。みんな、1回はそんなん思ったことあるんちゃうかなと思ったので、そういう設定にしました」

――読後感にそういう意図があったとしても、100円を返してほしいと悩む話を膨らませるのは大変だったんじゃないですか?

「そうですね。ただ、スカみたいな題材だけに紆余曲折、右往左往する様を入れていくのは、作業として楽しかったです。出版社さんから100円を返してほしいと悩む内面描写だけで終わらせんとってくださいね、波は作ってくださいねと言われていたので、そういう波を作るのが楽しくて。あと、僕は三島文学の喩えの量とか心理描写が好きなので、多大にパクってる感じがあります。そう、パクリです。今まで自分が読んできて、あれおもろいな、これおもろいなって思った部分が自然と染み付いているので(そういう描写が)入ってしまいました」

――パクリというより、影響を受けた部分が表現として反映されたということですよね(笑)。好みの文体に近くなるのは自然な流れだと思いますが、本作を拝読して10代ならではの世界の狭さがよく表れているなと感じました。また、笑い飯さん、哲夫さんが作られる笑いの世界観とも近しいものがあるなとも思ったんですが。

「1つの設定があったとして、その手前のところでずっとボケ合っているというのが、割と好きですからね。例えば、おばあさんの重たい荷物を持ってあげるという設定なのに、歩き出しのところでウンコを踏んでしまって、結局おばあさんのところまで行き着かへんみたいなんが好きなんです。やから、100円返してくれなんて早よさっさと言えやっていうだけのことなのに、その手前でずっと悩んでいるっていうところは、手前でボケる感覚と確かに似ているかもしれないですね。結局、僕は引っ張りが好きなんです。千鳥で言うたら、おぬしっていうネタとか好きでツボにハマりましたし、もうええって!みたいなお笑いが好きなので」

――主人公の清佐は100円のこともそうですし、友達のことも女の子とのことも考えが割と留まっている人ですよね。

「うだつが上がらんというかね。一歩が踏み出せない感じって誰しもが持っていたことでしょうから、その辺も思春期のあるあるなのかなと思ってます。自分のことを全部入れていると思われるかもしれないですけどそうじゃなくて、8%くらいの自分自身の中のあるあるを投入している気がします。僕の高校時代の同級生ってみんな、めっちゃいいヤツらだったんです。正五角形の性格分布図があったら均等に正五角形ができる雰囲気のヤツが多かったんですけど、今回はいろんな人格を集めて、正五角形の1つの頂点をぶわーっと伸ばしたような人を3人ほど作り上げました。そうなると自然とスクールカーストが生まれるんじゃないかなと思うんですが、頂点にいる人間でも結局、思春期のあるあるの部分が存在すると思っているので、ぜひスクールカーストの頂点にいるような人にも読んでもらいたいですね」

――執筆期間はどれくらいかかったんですか?

「大体3~4ヶ月かな。昨年の12月末にインフルエンザになって、仕事を5日間休まなあかんことになったんですよ。その間、めちゃめちゃペンが進みました。あと、僕は5冊の本を出しているんですが、今まで架空の人物に架空の名前を与えたことがなかったんですよ。とにかく照れくさくて。以前、官能小説を書いたときも固有名詞はまったく出してなくて、なになにな奴っていう描写にしているんです。やから、固有名詞を与えたというのが、自分の中では一歩踏み込んだ作業になりました。また、敬体と呼ばれるですます調ではなく、常体と呼ばれるである調で書いたんですが、それも5冊目で初めてでした。言い切りにすると、体言止めが有効に使えるんですよね。で、使うと、めっちゃカッコよくなるんです。そこも恥ずかしくて。インパクトを残すために編集者さんも『ここは体言止めにしたほうが』みたいなことを言うてきて、さっきもやったから恥ずいねんなぁと思いながら(笑)、体言止めを使わせてもろうてます」

――登場人物に名前をつけたり、体言止めしてたりするのが恥ずかしいなんて、今まで思ったことがなかったです。

「恥ずいんですよぉ。僕とか私っていう一人称も今まで使ったことがなくて。今回も僕やったらかしこまりすぎてるし、俺やったらイキりすぎてるし、私やったら主人公が男の子の場合はちょっとおかしいしって考えていたら使えなくなったんです。で、一人称で始めるよりは、主人公に固有名詞を用いた神目線にしたほうが、自分の恥ずかしさはましかなと思ったんですね」

――主人公の名前はどうやって決められたんですか?

「『犬神家の一族』に出てくるスケキヨっていう名前が好きなので、逆さにして清佐にしたんです。そういうアホらしさが入ってくると、照れが半減するわけですよ」
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――(笑)。どうしてそんなに恥ずかしいんでしょう?

「なんででしょうね? 元々、恥ずかしがり屋の目立ちたがり屋で、芸人をやってるのも目立ちたいからなんですね。ちっちゃい頃は目立ちたいと思っていても恥ずかしいから前に出られへんかったんですけど、段々前に出られるようになると目立ちたがり屋のほうが上回ってきて。けど結局、根底にあるのが恥ずかしがりなのでこだわりっていう部分に恥ずかしさが集約してしまうんです。で、俺なんかが体言止めしてええの?とか思ってしまうわけです」

――ある意味、自分を客観的に見すぎてしまっているんですね。

「そうかもしれないですね。あと、今作の中で僕とは書いてないですけど、たまに一人称目線になっているところもあるんですよ。三島の文体でよくあるのは、ナレーションが情景描写をしているのかなと思いきや、主人公の目線やったりするっていうことなんですけど、今回はこれもパクらせてもろうてます。あと、過去形の中に時たま現在形を入れることによって、風景が浮き上がるという書き方も取り入れていて......。そういう手法、カッコいいんですよ。やっちゃってるんですけどねぇ、恥ずいんです! カッコつけやなぁって思われることをやってます(笑)」

――(笑)。

「あと、クエスチョンマークとビックリマークとかの記号を使うのも、恥ずいから使いたくなくて。今までメールやSNSでもほんまに使ったことがないんですけど、歴史に残る大事なメッセージを書くときだけ、ビックリマークを入れるようにしてるんです。最近使ったのは、小室哲哉さんが引退しはったときかな? Twitterに『TKサウンズは最高です!』って書いたんですけど、この本では使ってません。なんやったら、クエスチョンマークも使いたくなかったんですけど、1ヵ所だけ入ってまして。(と、本をめくり出して)......18ページにあるんです。編集者さんがつけてきたクエスチョンマークに全部つけたくないって返したつもりやったんですけど、消し忘れたのかもしれないですね。けど大事な箇所なので、ここだけはあってもいいかなと思います。ないしは、編集者さんがここだけつけたほうがいいという意図で残してくれはったんかもわからないですけどね」

――哲夫さん、本がお好きだと思いますが、どんなところに魅力を感じているんですか。

「本のよさって半分読んだ時に、"半分まで来たー"って思えるところですよね。そこから早よオチが知りたくて、読むスピードが上がるんですけど、もうちょっとで終わるっていうヒリヒリ感、もうちょっと続いてほしいのに終わってしまうっていうワクワク感をページ数で確認できるのがいい。あと、5ページくらいしかないって思う瞬間は、袋とじくらいのありがたみが表れてるなとも思います」

――そういう意味でも、本著は本で読むことが活きている気がしますよね。オチが......ああいう感じですから(笑)。

「そうですね。さっきも言ったように、後味ゼロになるか、そりゃ何も残らんわなっていう気持ちを楽しんでもらえるはずです」

――今回は恥ずかしがりながら小説を書き上げましたが、今後も執筆への意欲はありますか?

「売れ残ると俺なんかが書いてはあかんのやと思いますが、もし売れ残らないならば書きたいですね。今はまた別の本を書いてるんですけど、依頼をいただければ書いていきたいなと思います。が、とりあえずはこの本が売れ残らないように、みなさんに買っていただければありがたいですね」
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【哲夫】【笑い飯】


クリスマスの神保町花月は熱い卓球芝居でポカポカに! 白坂英晃&ボーイフレンド・宮川&村田翔平インタビュー

東京・神保町花月のクリスマス公演にあたる『2.74のプリエール‐ラブ・オール!新章 -聖夜の奇跡編-』が、12月22日(土)~12月24日(月・祝)の3日間で全4回上演されます。


『ラブ・オール!』とは、2015年5月に『ラブ・オール!』が初上演され、同年11月に『ラブ・オール!2nd Season』と回を重ねた神保町花月の人気作品。
熱い試合のシーンを盛り込んだ卓球と卓球を取り巻く人間模様が描かれ、今回もフレッシュな芸人も含め、多彩な顔ぶれで卓球ドラマに臨みます。


ここでは、『ラブ・オール!』シリーズ全作の脚本・演出を務める白坂英晃(はらぺこペンギン!)さんに加え、夢と恋人を一気に失った元卓球選手の剣持スグルを演じる宮川英二(ボーイフレンド)、高校時代まで天才と呼ばれるも、大怪我を負い、大学卓球界で苦戦している西條レン演じる村田翔平の3名に、意気込みや稽古場の様子を伺いました。

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※向かって左から:白坂英晃、村田翔平、宮川英二(ボーイフレンド)


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――シリーズで言えば、前回から3年空いての上演となりますが、どうしてこのタイミングでの新章だったのでしょうか?


白坂 封印していたわけじゃないんですけど、また僕の中の熱が上がってくるのを待とう思っていて、そろそろウズウズしまして。


――白坂さんをウズウズさせる何かがあったんですか?


白坂 なんもないです(笑)。3年前にやった時から手応えがあるシリーズで、お客さんにも満足してもらえたし、演者も気合を入れてやった公演だったので、やるからには下手こきたくないなあというのもあったし、いいメンツが揃ったらやろうかなっていう気持ちもあったんですね。この公演に関しては、ほぼ100%、僕がキャスティングしているんですが、ちょうど宮川くんみたいなベテランの方も出てくれるし、村田のような若いけど、ちゃんとお芝居も出来る人も出てきているので、タイミング的にそのへんの融合が出来そうっていうことですね。


――タイトルの『2.74』は、「二テンナナヨン」と読めばいいのでしょうか?


白坂 そうです。卓球台の長さが2.74メートルで、"プリエール"は祈りとかの意味なので、それでだいたいことはわかっていただけるかと思いますが、卓球台があったから出会えた人たちの話ですね。

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――宮川さんは、2015年11月の『ラブ・オール!2nd Season』にも出演されていました。


宮川 オファーをいただいた時は、どの役をやるかわからなかったんですけど、脚本を読んだらこれまでの『ラブ・オール!』とのつながりがちょっとだけありつつ、また新たな役をいただいて、「あー、またあの熱い部活が帰ってくるんだなあ」って思いましたね。


――卓球を題材にしていますが、その後、実際の卓球に興味を抱いたりは?


宮川 めちゃくちゃ興味を持ちました。『2nd Season』に出演した時、チキータ(バックハンドで強烈な球を打つ技のひとつ)の使い手の役だったんですけど、動画もめちゃくちゃ見ましたね。当時初めて知って、その時も結構メジャーな技だったんですけど、今は当たり前にどの選手も使っているんですよ。
白坂 Tリーグ(日本国内のプロ卓球リーグ)が始まったり、今、日本の卓球がめっちゃ盛り上がってますよね。
宮川 張本智和選手とかどんどんニュースターが出てきましたよね。
白坂 3年前は、卓球をどこまで熱くやれるのかっていうのがあったけど、今、現実の卓球が激アツだから、俺らはもっと頑張らないと(笑)。
宮川 お芝居の中での卓球も、世界レベルになってきてますよ(笑)。

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――村田さんは、今回がシリーズ初出演ですね。


村田 はい。『ラブ・オール!』シリーズは、好評だったっていう話は、噂的に聞いていて、しかも、そのシリーズに出ている人は、軒並み売れているっていう話も聞いていたので、オファーをいただき光栄です。
白坂 その頃、村田はまだNSCにさえ入っていないんだよね。
宮川 今、芸歴何年目なの?
村田 2年目です。
宮川 2年目ーっ!? いやー、上手いっすよ。2年目の僕、ふわふわしていました。白坂さんに、「もっとこうした方がいいよ」って、いっぱい指導受けてました(笑)。
白坂 宮川くんの2、3年目くらいの時、ちょうど演出していたので、毎月一緒だったもんね。ボーイフレンド強化月間(笑)。そう比べると、村田の完成度は高いよね。

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――NSC入学以前に、役者の経験があるんですよね?


村田 ちょっとだけ舞台を...。
白坂 僕が「村田はもともと役者だから」って、すごく芝居をやっていたみたいに、在学中からいろんな人に言いふらしちゃって、ハードルあげちゃったよね(笑)。
村田 NSCの入学時、何かかまさなきゃと思って、一回しか舞台出たことないのに「ずっと役者をやってました」って嘘ついたのが、ひとり歩きしちゃいまして(笑)。
白坂 でも、基礎は出来ているし、演技は2年目じゃないですよ。役者に必要なものは、なんとなく村田は最初から持ってるので、そこは今回も、存分に使わせてもらおうかなと。なので、宮川くんと村田に大事な役をお願いしました。


――稽古は順調ですか?


白坂 まだ、稽古は3回だけなんですけど、シリアスなシーンがあったかと思えば、急に強烈なキャラクターで笑いを取らなきゃいけなかったり、忙しいんですよ(笑)。大変なんですけど、詰め込んで詰め込んで、ものにしていくしかないですね。
宮川 お客さんはジェットコースターのような感覚が味わえると思いますよ。ガンガン揺さぶられて、しまるところはギュッとしまるので、興奮して観てもらえるかと。
白坂 あと、全員で18名が出演するんですけど、全員持ち味を出していると思います。本来の持ち味を。
村田 白坂さんが、全員のことを把握しまくっていますからね(笑)。
宮川 白坂さんのすごいところは、NSCの講師でもあるので、授業をしながら、「こいつは咲くぞ」っていう人材を在学中から探しているんですよ。村田もその一人だし、他のメンバーも、そういう人たちだから、みんなかなり上手いです。
白坂 みんな目をかけていたやつらですね(笑)。

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――その中から、コンテストで優勝したり、ブレイクされた芸人もいるわけですね。


白坂 『ラブ・オール!』組は多いですね。おばたのお兄さん、レインボー、ひょっこりはん...僕が教えた中では、あのへんが一番メディアに出ていますね。ちょうど彼らが、3年前にやった時、芸歴が3年目の時かな? ヨシモト∞ホールでもちょうど頭角を現し始めたくらいの感じの年だったと思うので、時期的には今回のキャスティングと似ているんですよ。プール、まんぷくユナイテッドとか期待しちゃいますね。3年前の彼らにも、本来の持ち味はこうだよねっていう役を渡していて、今回も同じように当て書いているので、ここから開いてくれたらいいなって思います。
宮川 僕からしたらみんな後輩になっちゃいますけど、劇場でも活き活きやっているし、ネタも面白い子たちが集まっていますね。


――村田さんはコンビ解散されたばかりですが、今後はピン芸人で活動するのでしょうか?


村田 来月、再来月くらいからコンビを組んで活動したいと思っています。


――コントですか?


村田 そうですね。これまでコントしかやってこなかったので。
白坂 そりゃ絶対コントですよ。


――宮川さんのように、漫才師でもお芝居やられる方もいますよね。


白坂 漫才師でも、神保町花月で回を重ねていくと、芝居が上手になっていくんですよ。勘がいいからなんでしょうけど、宮川くんは、その中でも芝居が上手な漫才師さんですね。それはもう、それはもうな役にしています(笑)。
宮川 ホントに素晴らしい役をいただきました(笑)。

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――稽古場の雰囲気はいかがでしょうか?


宮川 めちゃくちゃいいですよ。芸人しかいないので、まあ、ずっと元気ですよ。全力で稽古をやって、自分が出ていなくても、見てますし、後輩がちゃんとやっていると気を抜けないですね。背中を見せなきゃなって思います。
村田 今回の稽古に限らないんですが、白坂さんの稽古はめちゃくちゃ楽しいんですよ。来るのが楽しみです。
宮川 普通、台本を読み進めて、芸人がアドリブを入れて、かぶせとか入ったら、だいたい2つ目くらいで、「はい、戻そうか」ってなるんですけど、白坂さんは4つくらい見逃しますね(笑)。白坂さんが言うには、「芸人を疲れさせて、自然消滅させてから、次のくだりに進める」らしいんですが。
白坂 押さえつけると余計やるから(笑)。散々やらせて、疲れたらやらなくなるので、そこからが稽古の本番です。

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――芸人を演出する上での独自の演出術ですね(笑)。他に注目すべき出演者を挙げていただけますか。


白坂 みんな注目して欲しいんですけど、『ラブ・オール!』シリーズ全部に唯一出演している光永は、今回、初めて試合に出ます。それは楽しみだし、あとは千葉ゴウ(入間国際宣言)かな。
宮川 ホントにそう!(笑) 今、僕ら自然と笑っちゃいましたけど、マジで見てください。
村田 間違いないです(笑)。
白坂 千葉ゴウを神保町花月でこう使いこなせるのは、僕だけだと思いますよ。
宮川 顔合わせの時、千葉ゴウが白坂さんに深めのお辞儀をしていましたね。「本当にありがとうございます!」って、すごく感謝していると思います。
白坂 あとワラバランスも、今回の使い方は面白いと思うんですよね。相当よく仕上がるイメージです。
宮川 千葉ゴウの相方の西田(どらやき)もいいんですよ。千葉ゴウは見ていただかないと説明できないんですけど(笑)、西田は上手いんですよ。一緒に何作かやりましたけど、こっちも気合を入れてやらないと、食われちゃうくらい。ゴールドバーグも上手いし、みんな上手いですよ。
白坂 僕の公演で使いまわしているメンバーですからね(笑)。もう、これ以上、まんぷくユナイテッドの狩野くんで遊べないかも(笑)。
村田 初めてご一緒する西村ヒロチョさんも上手いですよね。あと、ヒロチョさんとか光永さん、宮川さんもですけど、稽古中に先輩がボケると、ヘンな気分になります(笑)。


――どういうことですか?(笑)


村田 「あ、ボケてらっしゃいますね」...って(笑)。
宮川 わかるわー。僕らもシソンヌさんとか見ていて、じろうさんのボケで腹抱えて笑ってましたね。それを白坂さんが止めるみたいな(笑)。
白坂 じろうさんに限って言えば、「セリフを覚えてくれ」ってことから始まってました。「いいからセリフ覚えて!」って。


(一同爆笑)


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――最後に読者へのメッセージなど、お願いします。


宮川 はい。クリスマス公演で、卓球とクリスマス、一見合うのかなあって思うかもしれませんが、すげー合ってます。クリスマスを感じつつ、卓球の熱さも感じてください。


――ポスターには、サンタの格好をした出演者もいますが、クリスマスとお話はリンクするんですか?


宮川 それは詳しくは言えないんですけど、ポスターでひとつ謝りたいことがあるんですね。僕がセンターにいることで、ちょっとインド映画っぽくなってしまって...。
白坂 思いましたよ(笑)。後ろの奴らは黄色いユニフォーム着てるし。
村田 インド感、増してますね(笑)。


――クリスマスのデートコースとしてはどうですか?


宮川 めちゃくちゃいいですね! 笑えるし、ポカポカした気持ちで、手をつないで帰れる作品だと思います。


――村田さんからもメッセージをお願いします。


村田 もちろん笑えるし、興奮して熱くなれるし、泣けるし、いろんな感情が盛りだくさんになっていると思いますので、平成最後のクリスマスを締めくくるのにふさわしい作品だと思います。濃密で無駄なシーンがないので、絶対観に来て欲しいです。


――村田さんのファンも満足度は高いでしょうか?


村田 そうですね。最初に白坂さんから「かっこいい役にしておいたから」みたいに言われたので、かっこいいシーンしかなくて、試合のシーンもかっこいいと思いますよ。
宮川 卓球の球がないのはポイントだよね。
白坂 だからこそやれるシーンがありますからね。多分、神保町花月の芝居のなかでも、これは見なきゃいけない作品です。神保町花月のお芝居の良さは、多分、全部入ってますよ。神保町花月で一番やるべき芝居だと勝手に思っています。


――卓球ファンにもオススメでしょうか?


白坂 ぜひぜひ。映画の『ピンポン』が好きな方とか、スポーツものが好きな方とかにもオススメだし、全然興味ない人にも見て欲しいですね。


【ボーイフレンド】【宮川英二】【村田翔平】



舞台「TERRA GIGANT」主宰の堀川絵美にインタビュー!

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12月22日(土)に大阪・HEP HALLで上演される舞台「TERRA GIGANT」。「やっぱりサプライズが好き」と「『問う。』」、「贋作ラ・ラ・ランド」という3本の作品を上演します。主宰の堀川絵美に本公演について、インタビューしました。

――「TERRA GIGANT」ですが、3本の作品それぞれについて教えてください。

堀川 「やっぱりサプライズが好き」は私が脚本を書いたんですけど、女の子3人の芝居ということで「やっぱり猫が好き」を連想しました。でも、内容は全然かけ離れたものになっています。女特有のドロドロ感を出せたらいいなと思っていて。私も、出演するコンビの紅しょうがも普段から仲良しで。3人とも肉食系で、普段から男の話ばっかりしているんです(笑)。なので、日常会話をコメディに乗せたような。私はやっぱり歌とかダンスがすごく好きなので、歌とかダンスも織り込んだドロドロコメディになっているんじゃないかなと思います。もしかしたら男性はちょっと怖いかもしれないです(笑)。

――女の人が聞いたらめちゃくちゃ面白いでしょうね。

堀川 女芸人たちの間で「男にこんな復讐してやった」って笑う話でも、男芸人に言ったら誰も笑わなかったりするので、こんなに感覚違うんやと思って。みんな自分のことやと思って怖がっちゃうみたいで、その辺の差が面白いなと思います。私たち3人の実体験を入れている部分もあって。紅しょうがの稲田さんはNSC大阪の同期なんですけど、私の弟に手を出したことがあるんですよ...(笑)。そういう、なかなかないことをされる人が出ます。あと、紅しょうがは「THE W」の決勝に残っていて、それはすごく喜ばしいことなんですが、優勝されると12月10日以降稽古ができないので、それは困るなと思っているので2位くらいで注目浴びてくれないかなと期待しています(笑)。

――そしてプリマ旦那・野村さんが書かれた「問う。」。野村さんとの二人芝居で。

堀川 「問う。」は、野村さんに書き下ろしていただきました。普段から劇団コケコッコーや、それ以外でもご一緒させてもらっていて。今回夫婦のお話ということですが、まだ私は結末がどうなるか聞かされていないので、すごく楽しみにしています。2年前にも野村さんと「fifth」という二人芝居をやらせていただいて、その時も大どんでん返しがあって、お客様をびっくりさせる仕掛けがあったので、おそらく今回も何か待ち受けているんじゃないかなと思います。

――この夫婦の話というのは、野村さんが「これで行きます」とおっしゃったんですか?

堀川 3本くらい候補を出してくださって。3つとも全然毛色が違うものだったんですけど、その中でこれがいいんじゃないかなと二人で決めました。

――野村さんとは夫婦役ですね。

堀川 野村さんは3年先輩で、年齢は下なんですけど、お互い弟のような兄のような、姉のような妹のような感じです。野村さんとは、いろんな作品をやってきただけに、新しくどんなものができるか楽しみです。

――野村さんの演劇人としての手腕はどういうふうに受け止められていますか?

堀川 野村さんって、SNS とか普段の言動からすると、もしかしたら陰鬱としているイメージがあるかもしれないですけど、実はすごく温かみのある方で、書かれるお話もすごく優しい。人々の生活に寄り添うような、身近なところを書かれていて、誰もが共感できる場所があるというか。すごく人間味のある方なので、それがすごくお芝居に表れているなと思います。脚本を書かれる力が本当にすごいので、今後は映画の脚本とかもやってほしいなと思います。落語もされていて、なんでもマルチにされる方です。劇団コケコッコーも、もっと大きくしたいと思って、来年以降も計画中です。

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――そして「贋作ラ・ラ・ランド」ですが、ワクサカソウヘイさんが作・演出を担われています。

堀川 ワクサカさんはコラムニストで、私は芸人をやる前から雑誌「TVBros.」を買っておりまして、その中で連載されていたんですよ。ワクサカさんの連載はいつも声に出して笑うくらい面白くて。それで、元々ツイッターをフォローしていたんですけど、芸人になって3年目くらいの時に急に思い立ってダイレクトメッセージを送ったんです。「すみません、大阪に住んでいる芸人なんですけど、会いたいのですが、どうしたらいいですか?」って。普段、そういうことは絶対にしないんですけど、なぜかしてしまって。そしたらぜひぜひということで東京まで会いに行きました。同い年ということが判明して、話をしてもやっぱり面白くて。今度、面白いことを一緒にやりましょうとなって、その後、初めて単独をやった時に一人芝居を書いていただきました。それもすごく好評で、やっていて楽しくて。そのときぶりになります。

――「贋作ラ・ラ・ランド」は今回のために作られたんですか?

堀川 今年6月に東京で初めて単独をやらせていただいて、その時に一度、上演しているんです。出演する男性ブランコの浦井くんも同期で、元々大阪にいた子で、すごく仲良くて。お芝居も何度か一緒にやっていているので、ワクサカさんの本で一緒にやりたいなと思ってお願いして、書いてもらいました。これが結構好評だったんです。約30分間、バカバカしさの極みというか、何の内容もない30分なんですけど(笑)、なぜかラストシーンでお客様の大半が泣いていらっしゃったんですよ。「泣くんや!?」と私もびっくりして。実際、終演後にいただいたアンケートでも「自分がなぜ涙を流したのか分かりませんでしたが、感動しました」っていう声が結構、来ていて。それってどういう感情なんだろうと思い、これはぜひ大阪でもと。どんな反応になるのか知りたいと思っていたので実現しました。

――やはり映画「ラ・ラ・ランド」のような...?

堀川 「ラ・ラ・ランド」とは言っていますが、ほぼ関係ないと思ってください。衣装の感じとか、設定が夜の公園というぐらいです。

――堀川さんの舞台では、歌も聞きたいという方も多いのではないですか。

堀川 いつも私の単独ではオープニングに歌うんですけど、今回も1本目の芝居をやる前に歌をやろうと思っています。エンディングも歌で、今回はダンサーの男の子3人、みんな芸人さんですが出てもらって、彼ら含めて8人全員でエンディングは踊ります。野村さんは踊りが苦手でいらっしゃって、2年前に私の単独でもちょっとだけ踊ってもらったんですけど、もう動きがすごくダサくて(笑)。ファンの方が抱いている野村さんのイメージが壊れてしまうんじゃないかなっていうくらいなんですけど、今回も存分に壊していただこうかなと(笑)。振付はTAKE IT EASYの山根千佳さんにお願いしました。すごくかっこよくて。私たちがギリギリ踊れるレベル、ちょっと難しいんですけど、すごいかっこいい、かわいい動きをつけてもらっているので、エンディングもお客様に笑顔になっていただけると思います。

――3作品それぞれ、相手役の魅力はどういうところに感じられますか?

堀川 紅しょうがは、稲田さんとは同期でも一番の仲良しで、8年以上ずっと一緒にいますし、安心感がすごくあります。ただ、稲田さんはお芝居をあんまりしたことがなくて、どんな感じになるのか私も未知数ではあるんですけど、今回はほぼあて書きで。稲田さんってすごく変わっているんですよ。熊元さんの方がいじられているイメージがあるかもしれないですが、実は変なのは稲田さんで。ちょっとした変なところも魅力として出るのではないかと思います。熊元さんは力強さがありつつ、すごく女性なんです。女としての生き様というか、かっこいい後輩なので、そういう面がきっと出るのではないかなと思います。この3人で相乗効果を生み出せたらいいなと思います。

――役者としての野村さんは?

堀川 そうですね...時々佐藤浩市さんに見える瞬間があって(笑)。あれ? 佐藤さん!?ってなるので、「なにわの佐藤浩市」ということで(笑)。野村さんには渋みというか、そういうところがあるので。それと、お笑いの間(ま)も天才的ですし、毎回一緒にやらせていただくたび勉強になっています。気づきを与えてくれる人です。

――そして浦井さん。

堀川 浦井さんも、稲田さんと似ているかもしれないですが、安心感を与えてくれる人です。お客さんもそうやと思うんですけど、優しい気持ちになるというか、あったかいココアを飲んでいるような感じです(笑)。男性ブランコ自体がそうなんです。芸風もそうですし。優しい、温かい気持ちにさせてくれるので、どんなきつい口調のセリフでもすごく柔らかく聞こえるというか、不思議な魅力のある方です。あの柔らかさは何だろうな......毛布。毛布役者です。包み込んでくれるような(笑)。

――女優・堀川絵美としてこの作品にかける思いはいかがでしょうか?

堀川 私はピン芸人という肩書ではあるのですが、この2、3年くらいは一番やりたいことがミュージカルとかお芝居で。それをやるにあたっては実力も全然伴っていないし、経験も足りていないというところで、この舞台でも新しい引き出しを見つけていかなければと思っています。いろんな方に観ていただきたいですね。毎回来てもらったお客様に「お笑いのライブというよりエンタメショーを観た」とか、「チケット代が安すぎた」とか言っていただくことがあって、それを今回も言ってもらえるようにならなければと思っています。

――現時点で、ここは力を入れているというものはありますか?

堀川 今回は今までで一番、チラシに力を入れております。より多くの方の目に留まるように。お笑いファンの方だけでなく、演劇ファンの方にも観ていただきたいと思って...。私は東宝ミュージカルすごく好きで、紙質から帝国劇場や梅田芸術劇場で上演する舞台のチラシをイメージして作りました(笑)。

――そうですね。紙の厚みも違いますね。

堀川 はい、半光沢紙で作らせていただきました。私は、チラシはとても大事なものだと思っているので、まず人目に付くようなものを作って、来てくださった方には--お笑いからしたら前売3000円は高いんですけど、12000円くらいの価値のものをお見せしたいなと思っています。今後、女優と名乗っていきたいと思っているので、そうなるためにあたっては絶対に大事なステップだと思っています。

――堀川さんはよしもとに入ってから女優を目指すようになったんですか?

堀川 まず、よしもとに入ったのが、芸人をやりたいとも女優をやりたいとも思っていなくて、ノリやったんですよ。バスガイドが天職だったので。何度かbaseよしもとに観に行ってはいたんですけど、自分が入りたいとはこれっぽっちも思っていなかったんです。でも、25歳の時に沖縄旅行に行きまして、そこで当たる占い師さんがいると聞き、私はあまり信じないので冷やかしのつもりで行ったんです。手相と顔だけ見て何でも分かるっていう人で、私のことすごい当てて。「あなた、マイクを使う仕事してますよね?」「そうです、バスガイドしてます」「それ合ってますよ。でも26歳になったら絶対芸能界に入ってください」って言われて。「でも私、アイドルとかできないですけど...」って言ったら、「入り口はお笑いがいいと思います」って言われて。で、まあ、捨てるものもないし、いいかなと思って。バスガイドって何歳になってもできるといえばできるので。ただ、私は貯金をしたことがなくて、NSCに入るお金を親に借りなくちゃいけなくて。結構堅い親なんですけど、その親に「実はよしもとに行こうと思ってるからお金を貸してほしい」とお願いしたら、「前からそっちの方がいいと思ってた」ってまさかの賛成で。で、お金を借りて入って、さあ何しようと。そしたら、いきなりネタ見せがあるとなって。その時にコンビを組みたいとも思わなくて、とりあえず一人でバスガイドのネタをやったら結構ウケて、先生から高評価もいただいて。それで、その年の夏に「新人お笑い尼崎大賞」に出て準優勝をさせてもらったんです。その時に優勝されていたコンビの方が賞金10万円で、2位の私が5万円。これ、結局一人5万円やんって思った時に、絶対一人(ピン芸人)やなと思って(笑)。それで絶対に誰とも組まないと決めて。お仕事もちょこちょこ、1年目からいただいていたのでそれをやらせていただきつつ、でも自分は一体、このままどうするんだろうとか思っていたんです。

――それがどのくらいの時期だったんですか。

堀川 2年目ぐらいですかね。ちょうどその頃に「大阪俳優市場」といういろんな事務所の方が出るお芝居に出させてもらって、それがすごく楽しくて。お笑いでウケても気持ちいいけど、お芝居の中で役として表現してウケたときはもっと気持ちいいなと思って。元々お芝居を観るのがすごく好きで、小学校3年生の時から宝塚をずっと観ていて、観に行くのはすごく好きだったんですけど、自分がそっち側に立つということがこんなに楽しくて、気持ちいいことなんやって初めて知ってからお芝居をやり始めたんです。

――『レ・ミゼラブル』のオーディションも受けられたとか。

堀川 ミュージカルはさすがに観るものやと決めつけていたんですけど、よしもと漫才劇場で歌のイベントがあった時に、私が大好きな「レ・ミゼラブル」の曲のパロディを私主体でやったんです。もう全力で再現して。そしたら音響さんに「漫才劇場が始まって以来の、劇場が揺れるくらい拍手が起きた」って言われて。その時の映像を残していたんです。知り合いにその話をしたら、その方が「知り合いのミュージカル関係者に映像を見せていい?」と。それがきっかけで、「レ・ミゼラブル」のマダム・テナルディエという役のオーディションを受けることになりました。受かるわけないと思いながら、一次審査が通って。二次審査は、会場に10人くらい集められて課題曲を一人ずつ歌うんですけど、もうレベルが違い過ぎて。みんなプロで、私はもう恥ずかしいと思って。私の番が回ってきて、せっかく歌うんやったらって外国人の演出の方の目を1回もそらさず歌ったら、「エミサン、パーフェクト!」って、「絵美さん以外退出してください」ってなって、1時間くらいレッスンして、次の審査に進んだんです。これはもっと本気でやれば、もしかして手が届くのか!?と思って一週間くらいレッスンして、気合入れて次の審査に行ったんですよ。で、髪の毛もすごいきれいにして、服もキレイなワンピース着て行ったら「絵美さん、あなたが演じようとしているマダム・テナルディエは、そんなきれいな格好をしているだろうか」と言われて。ほんまや、これでは落ちる!と思って、「ちょっと待ってください!」って髪の毛をぶわ~ってくしゃくしゃにして、逆毛立てて「これでお願いします!」ってやったら、また「パーフェクト!」って(笑)。その審査で結局ダメだったんですけど、オーディションでめちゃくちゃ勉強になったし、本気で取り組むうちに、本当に出たいと思うようになって。

――そうだったんですね。

堀川 そこからですね、『レ・ミゼ』に絶対出たいという今一番の目標が芽生えたのは。2019年版のオーディションも受けたんですけど、前回とはまた違う演出家の方が見ていらっしゃって、前回よりもっと先に進むことができたのですが、やっぱりまだ足りなくて。それがすごく悔しくて、何か経験を積まなければと思ったものの、大きいミュージカルに出ないと経験は積めなくて。そのチャンスがなかなかないのですが、何か来たときにすぐ掴めるような状態にしておかないとあかんなと思ってるところです。

――なるほど、では「TERRA GIGANT」も経験の一つに。

堀川 そうですね。この作品でも何か一つ成長ができたらいいなと思っています。

――2018年は『タクフェス 春のコメディ祭「笑う巨塔」』にご出演されて、東京でも初の単独をされて。堀川さんのイベントとしては「TERRA GIGANT」が締めになると思うのですが、2018年を振り返ってもらいつつ、作品への意気込みと、2019年に向けて抱負をお願いします。

堀川 今年を振り返ると、この世界に入って今までで一番濃い1年で、大阪で、よしもとで活動しているだけでは絶対に経験できなかったこともできたし、いろんな新しいつながりもできました。いろんなことに気づけた1年でした。自分の未熟さとか、驕りがどこかにあったのかなって思ったり。広いところに出たことで自分のちっぽけさを感じて、もっと頑張らないとって。私は怠け癖がすごくあるのであかんなと思えた年でした。私はお芝居を書くのは苦手なんですけど、でも演じるだけよりも書けた方がいいだろうなと思って。演じるにあたっても、いろんな側面から見れるだろうし。自分を甘やかしたらいけないなという意味でも、こういう内容の作品にしました。ただ、第一には、観に来てくださったお客様に心底楽しんでもらえるものをお届けしたいと思っています。ちょっと早めのクリスマスプレゼントになればいいなと思っています。来年は、正直ほぼ白紙状態で(笑)。実は私は2020年にちょっとした野望がありまして...。この年に芸歴10年目になるので、それを記念して梅田芸術劇場で単独をやりたいなと思っていまして...(笑)。

――メインホールですか?

堀川 はい。メインホールです! 2020年に梅芸で満席でやるにあたってどうしたらいいかを逆算して、来年もっとやっていかないといけないなと思っていて。型にはまらずにやらないとなって。好きなこととか、やりたいことをやったもの勝ちなので(笑)。自分と自分が信じる人たちを信じて、自分が面白いと思うことをやりたいなと思っています。

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【堀川絵美】


M-1での"ゼンチン"が話題のジャルジャル、明日5日より大阪チャンネルで新番組『ジャルジャルの笑いのツボ屋』が配信スタート!

12月5日(水)より映像配信サービス・大阪チャンネルにて、ジャルジャルがメインを務める番組『ジャルジャルの笑いのツボ屋』が配信スタートします。

こちらは、依頼された笑いのツボに入れたいターゲットにツボに入って死ぬほど笑ってしまうという奇跡的且つ最高の体験を味あわせるために、ジャルジャルがその人のツボをリサーチして作戦を企て笑わせるという実験的ドキュメントバラエティー番組です。
よしもとニュースセンターでは、ロケの合間にジャルジャルを突撃。番組の見どころや現在の手応えなどについて話を訊きました。
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(向かって左:後藤淳平/右:福徳秀介)

――すでにいくつかロケを終えているそうですが、やってみての感想をまず訊かせてください。

後藤 依頼者と一緒に、その人が笑いのツボに入れたいターゲットに対しての作戦を考えて、いろんなことを実行するっていう番組なんですけど、ただただ楽しい。楽しいだけです。
福徳 笑いのツボって僕らは年に1回、普通の人なら5年に1回入ったらいいなっていう感じやと思うんです。そういうめったに味わえないことを実現するのは相当難しいけど、非常に楽しくやらせてもろうてますし、いいお笑いにもなってるんじゃないかなと思いますね。作戦の段階で、偽番組が楽しくて。
後藤 ターゲットを笑かすために、ゲストを呼ぶ偽番組っていうのがあって。どうやって笑わせるかは依頼者によって変わるんですけど、ある回でやった番組がほんまにできたら嬉しいなっていうくらい、ゆるくて楽しかったんですよ。
福徳 あれを偽番組にしておくのが、もったいなくなりました。相談するブロックと実際に笑わせるブロックに分かれていて。仕掛けてターゲットを笑わせてツボに入れておさらばできたらいいんですけど、結果、あれは嘘でしたって言わなダメなんです。それが非常に残念。笑わせたことに変わりはないですけど、バラす時だけちょっと悲しいですね。
後藤 喜んでもらえばもらえるほど、「実はウソなんです」って言いづらくなるっていう(笑)。でもまぁ、今のところはいい感じになってるなと思っています。

――見どころのポイントは?

福徳 大きく言えば、つくった壮大なコントをやるっていう全ての行程をを公開で見せている感じの番組ですね。
後藤 僕らはめちゃくちゃ芝居してるので、みんなでユニットコントをしているような感覚ですね。スタッフにもエキストラで出てもらってますし。
福徳 みんな、その世界に入って、ターゲットが見ていないところで演技してるんで、見切れてるところとかチェックしても面白いかもしれない。
後藤 そうですね。隈なくチェックしてもらえると、いろいろと楽しめると思います。回によっては、予定していたことをラッシュでバンバンバン!って、ほんまにネタをやってるくらい隙なくやって笑かしまくってる時もあるんで、楽しみにしておいてもらいたいですね。

――ターゲットをピンポイントで笑わせるって、芸人としての環境ではなかなかないことなのかなと思います。

後藤 そうですね。個人をツボにはめるっていうのは、いつもやっていることと全然違います。大事なのは、如何にハプニングを起こすか。ツボに入るときって大体そうなので、そういう瞬間をどうつくるかの戦いですね。
福徳 笑いのツボっていうのはよくできていて、一発でドーン!と入ることがない。じわじわと外堀からほぐしていって、これがこの人のツボなんやというところを見つけていかないといけないんです。よく打ち合わせで話すのは、奇跡には勝たれへんということで、コケるとか身体的なハプニングはツボに入りやすい。どんだけ策を練っても笑いのツボに関しては、ハプニングに勝るものはないですね。

――これまで情報解禁前だったので、身近なところから相談者を募ったそうですが、今後は一般募集もしていくんですか? また、どんな相談を受けたいですか?

福徳 相談者は大募集です! うまくいく可能性がある人の恋愛を応援してみたいですね。
後藤 人生を賭けた、ここでこの人を絶対に笑わせないと今後がヤバいだとか、その人の人生がかかってるだとか緊張感のある場面で、笑いのツボに入れてみたいです。
福徳 不可能でしょうけど、遅刻しててヤバい人とかいいですよね。

――大失敗を隠している人とか。小学生で、母親に点数の悪いテストを見せられないとかでもいいかもしれないですね。

福徳 あぁ、そういうときってありますもんね。
後藤 うんうん、そういうのもいいかもしれないです。

――では最近、お2人が笑いのツボに入った瞬間って何かありましたか?

後藤 bayfmでやらせてもらってるラジオ番組『ジャルジャル のしゃべってんじゃねぇよ!』で即興コントをやってるんですけど、ある回だけイレギュラーでラジオ小説をやることになったんです。で、きっちり読まなあかんっていうところでツボに入っちゃって(笑)。何も起きてないんですけど(笑いがこみ上げて)台本が読めなくなって、「今週はやめときましょう」ってなりました。

――何が原因かは......。

後藤 いやぁ、わからないです。なんで笑うてんねんって思えば思うほど、ツボに入ってしまいましたね。
福徳 僕もその場にいましたけど、一緒に笑っちゃいました。
後藤 そういう突然、ツボに入る時があるんです。
福徳 僕は、家のテレビを壁掛けにしようとした時。いろいろと調べたら、業者に頼まなあかんってわかったんで見積もりに来てもらったんですよ。で、来た業者の人が「1回、テレビを見せてください」ってテレビを持ったんですけど、その時プリって音がしたんです。
後藤 (笑)。
福徳 屁かな?って思ってから1分後くらいにぶわーーっと笑いがこみ上げてきて、トイレに行って中で「はぁ~~~!」って息を吐いて笑いを全部出しました。業者の人と1対1やったんで目の前で笑うことができなくて......かなりキツい勝負でしたね。

――(笑)。その業者の方は音をさせた時、何も反応しなかったんですか?

福徳 その人もやってもうたなって思ってたんでしょうけど、なんの反応もなかったですね。

――このインタビューを行なっているのは『M-1グランプリ2018』の決勝前ですが、公開は決勝後。優勝していたら......どうします?

福徳 僕ら、実はスーツ(のフラワーホール)に、『ラグビーワールドカップ2019』のバッジを付けてるんですけど。
後藤 もし優勝してたら、その称号を利用して来年、日本で開催される『ラグビーワールドカップ2019』を観に行きたいですね。

――そこはぜひラグビー経験者として、お仕事として関わることができるよう願っています!(笑)では、最後に『ジャルジャルの笑いのツボ屋』について、改めてPRをお願いします。

福徳 あなたが笑いのツボに入ったのは、いつですか? きっとこの番組を観たときでしょう!
後藤 ポスターがコテコテな感じですけど(笑)、内容は新しいことをやっているので、よかったら観て笑いのツボに入っていただけたらなと思います。
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『ジャルジャルの笑いのツボ屋』は、明日5日より配信スタート。詳細は、大阪チャンネルの公式サイト(https://osaka-channel.hikaritv.net)をご覧ください!



【ジャルジャル】


RGが平成最後の大晦日にぼんちおさむ、平和ラッパ・梅乃ハッパと「あるある」カウントダウンライブ開催! ライブの見どころをRGに直撃!

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レイザーラモンRGが12月31日(月)に、カウントダウンライブ『RGがプロのミュージシャンをバックに今までの集大成的ベストな選曲で大迫力のあるあるを90分歌い続けザ・ぼんち おさむ師匠が本格的なジャズを歌ってくれる会~ギタリストはラッパ・ハッパ師匠!~』を開催します!

これまでさまざまな「あるある」の会やツアーを開催してきたRGですが、平成最後の大晦日を締めくくる「あるある」カウントダウンライブは、ぼんちおさむ、平和ラッパ・梅乃ハッパという吉本が誇る大御所たちとの共演。しかも生バンドによる演奏にのせての「あるある」が聴けるとあって、これまでにない「あるある」の世界を楽しませてくれること間違いなしです!

ほかに類を見ないカウントダウンライブに対する意気込みを伺いました。

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――これまでにない「あるある」の会になりそうですが、この内容にしようと思った理由を教えてください。

「全国的な『カウントダウンあるある』の傾向として、若手芸人や若者のバンド、いわゆる"フェス"に出がちな人たちが『夏にやったこと、カウントダウンでもう一回やるんかい!』って感じるところがあって。他の人と同じことをやってもしかたないですし。

あともうひとつ、年末のカウントダウンライブに向けて、この時期は芸人争奪戦のような状態になっているんですけど、実は吉本にはものすごい石油がまだまだ埋まっているんです。それは、師匠です。師匠がカウントダウンライブに出ることなんて、これまでなかったんじゃないかな?

平成も最後ですから、昭和・平成というふたつの元号を生き抜いてきた師匠に感謝と畏敬の念を込めて、やらせていただきます」

――いわゆる師匠と呼ばれる方々と「あるある」をやろうと思ったきっかけは?

「12月23日によしもと祇園花月でパンチみつお師匠と一緒にやるんですが、(『オウミ住宅presents RGが120分あるある歌い続け、パンチみつお師匠が120分オウミ住宅のCMを踊り続ける会』)、これを知った芸人さんからの反響がものすごかったんです。まるむし商店・東村さんも『師匠、すごい気合入ってたで!』とうれしそうに教えてくれたり。そういう反響を見て、親孝行じゃないけど、師匠たちへの恩返しになっているのかな、と感じました」

――数多くの師匠がたの中で、ぼんちおさむさん、平和ラッパ・梅乃ハッパさんに声をかけたのはなぜですか?

「おさむ師匠は、実はジャズやブルースといったブラックミュージックがめちゃくちゃお好きなんです。YouTubeでも、おさむ師匠がジャズバーみたいなところでルイ・アームストロングとか熱唱されている動画がいっぱい出てきますよ。普段も、ニューオリンズの人かな? っていうくらい、スーツの着こなしもファンキー。そういう、おさむ師匠のおしゃれな一面を皆さんに見ていただきたいなと思って。

平和ラッパ・梅乃ハッパ師匠は、実はギターのテクニックがとんでもなくスゴイ、ということを皆さんに知ってもらいたい。ジミヘン(ジミ・ヘンドリックス)ばりに頭の後ろでギターを弾いたり歯で弾いたり、しかも日本に数台しかないというギターをお持ちだと聞いてますので、関西のブルースがお好きな方や、シブい音楽ファンにはたまらないと思いますよ。

こうしたスゴイ師匠たちの技を寄席で見るだけじゃなくて、本当にでっかいホールで音楽として聴ける、これまでにない機会になると思います」

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――タイトルに「集大成的ベストな選曲」とあるように、セットリストもかなりのこだわりが?

「そうですね。『あるある』は、僕が考えるベスト、80〜90年代くらいが中心になると思います。おさむ師匠には、このあいだ『曲はどうしますか?』と訊ねたとき、『この中から選んで』って6曲分の譜面を渡されました。めちゃくちゃカッコいいでしょ? 『○○(曲名)』っていう曲がやりたい」とかじゃなくて、譜面ごと。ほんまにニューオリンズのミュージシャンちゃうかな...。あと、『恋のぼんちシート』を武道館ばりに歌っていただきたいと思ってます。あの曲もめちゃくちゃカッコいい曲だから。かつて、おさむ師匠に『キャー!』と黄色い声を上げていた方々にもぜひ来ていただきたいです。ただ、急におさむ師匠の"クセ"が出て歌えなくなるかもしれませんので、そこも含めて包み込めたらと思っています」

――しかも今回は、プロのバンドの生演奏をバックに「あるある」を歌われるんですよね。

「以前、京都大学西部講堂や『音魂』で『あるある』をバンドでやらせてもらったんですが、生演奏と『あるある』ってすごく合うなと感じたんです。いつもはカラオケでやるんですけど、カラオケだとお笑いの比重が高くなりがちで。でも、生演奏だと『あるある言いたい』と歌っている時間も皆さんに音楽を楽しんでもらえるんですよね。もう、『あるある』が聴こえなくてもどうでもよくなるというか(笑)。曲とバンドの演奏がとにかくいいので、それだけでも楽しんでもらえると思います」

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――『あるある』は大人気イベントですが、今回はかなり攻めた『あるある』カウントダウンライブになりそうです。

「そうなんです。実は今回は、『あるある』ファンへの問いかけでもあるんです。『あるある』は共演する人によってチケットの売れ行きに波があるし、僕としては『みんな、いったい何が好きなん!?』という思いがあるんです。みんなは『RGのあるある』が好きなのか? 『RGとその(共演する)芸人』が好きなのか? ひいては『お笑い全般』が好きなのか? と。自分のお客さんとは何なのかっていう、ふるいにかけるライブでもあるかもしれないですね」

――師匠がたとの共演となれば、お客さんの年齢層もかなり広がるのでは?

「『あるある』ファンの方々はもちろんですが、これまで大晦日は紅白歌合戦を観てしっとり過ごしていた人たちも外に連れ出したいです。今、おじいちゃん、おばあちゃんと呼ばれている、いわゆる第一次ベビーブームの方々の人数ってめちゃくちゃ多いしまだまだお元気。『京都花月、行ってたわ〜』と、若い頃に寄席に来ていた方々にも楽しんでいただきたいです。カウントダウンライブの帰りにそのまま初詣にも行っていただけますしね。これは『新規顧客層開拓イベント』といってもいいかもしれません。僕自身、細川師匠(細川たかしさん)のおかげで演歌ファンの方々など新規顧客開拓に成功しましたし、例えばさだまさしさんは60〜70代の方から絶大な人気があるから安泰なんだと思うんです。だから僕は、さだまさしさんを目指します。今回も60〜70代の方々を楽しませるエンターテインメントを作るきっかけにしたいです」

――最後に、「行きたい!」と感じた皆さんにメッセージを!

「他のカウントダウンライブとは一線を画しまくっているんですが、逆に『まだそういう、ベタなカウントダウンライブがいいですか? オレは師匠とやります!』という感じでしょうか。僕自身、吉本のレガシーである師匠に恩返ししたいし、大切にしていかないといけない時期かなという思いもあって。師匠たちがお元気なうちにいろんなことを吸収しておきたいし、皆さんにも観ていただきたい。そして、かつての劇場のように、若手から師匠までの芸をいろんな客層の方々が楽しめる、まるで喫茶店にでも行くような気持ちで気軽に劇場に来ていただいていた昔の劇場文化をもう一度盛り上げたいという思いもあります。こんな高尚な意志の元、カウントダウンライブをやる芸人、ほかにいますか? いないと思います!」

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大晦日当日、サンケイホールブリーゼでは『RGがプロのミュージシャンをバックに今までの集大成的ベストな選曲で大迫力のあるあるを90分歌い続けザ・ぼんち おさむ師匠が本格的なジャズを歌ってくれる会~ギタリストはラッパ・ハッパ師匠!~』以外にも、大晦日特別イベントが盛り沢山!

大晦日はぜひサンケイホールブリーゼにお越しくださいね。

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【レイザーラモンRG】


第1期メンバー募集中!「少女歌劇団プロジェクト」総合演出・広井王子氏インタビュー

先日吉本興業が発表した「少女歌劇団プロジェクト」。"清く・明るく・麗しく"をテーマに、「和の美意識を体現する少女たち」のライブを、関西の専用劇場から発信していく成長型のライブ・エンターテインメントである本プロジェクトを総合演出するのが、ゲーム『サクラ大戦』シリーズなどを手掛け、多岐にわたる分野で活躍するマルチクリエイター・広井王子さん。成長していく少女たちの姿を見守り、応援していく新しいライブ・エンターテインメントの形を目指すという本プロジェクトを、広井さんはどうプロデュースしていこうと思っているのでしょうか。

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ーーそもそも「少女歌劇団」はどういった経緯で始まったんですか?

今年の8月に、大﨑社長と大阪から京都に遊びに行く機会があったんですけど、その車中でいろんな話をしていまして。僕がこれまでどんなことをやってきたのか聞かれて、話したら「あんた、面白いなぁ」って言われて。で、突然パッと手を握られて「俺と一緒にやろう!」って(笑)。そのあとは週1くらいで会って、社長から「あんなことがやりたい、こんなことがやりたい」という話を聞いているうちに「だったらこうしたい」っていうプランが自分の中で出てきました。で、提案すると、みんな「面白い! やろう!」って言ってくれるんです。

ーー本プロジェクトでいちばん大事にしていることはなんですか?

それはやっぱり、ステージングをどうするかですね。いいスタッフを集めて、いいショーを展開する、ということがまずは大事です。その上で、観に来られたお客様に「見てよかった」とか「応援していこう!」と思ってもらえないといけないので、今後はそこをみんなでがんばろうと思います。劇場は専用劇場なので、演目を変えるだとか「これがウケたから長くやろう」とか、そういうことを自由自在にできるということは素晴らしいと思います。あと、大阪チームと大阪以外のチームに分かれます。東京と大阪の両方に稽古場を作って、大阪以外のチームは劇場のある大阪に土日に来る感じです。平日夜は大阪チームの年上の子たちが公演を行って、土日は小学生も来る感じを考えています。
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ーー「和の美意識を体現する少女たち」のライブを発信していかれるということですが。

ステージも和風なところはあると思いますけど、とにかく女の子たちに日本人であってほしいというか、日本文化を背負ってほしいと思っています。もちろん、外国の子でも日本文化に興味があるんだったらかまいません。それはもう「一緒に勉強していこうよ」という感じ。そういうものをたっぷり入れてショーを展開できたらいいなぁと思っています。大事なことは「たっぷり日本人である」ということ。だからまだ若い、まっさらの状態の子たちに、歌舞伎や能、狂言なんかの日本の伝統芸能を見てもらいたいし、茶道なんかも経験してもらいたいし、合宿みたいなことをやって、その中でそういったことをみんなが経験できたらいいなと。そういうものを体験していく中で、彼女たちが何を感じるかが大事だと思っています。

ーーでは、学校ではないけど、レッスンの中にいろんな勉強ができるようなプログラムを組まれるんですか?

そうですね、そのあたりはまだ固まっていないので、僕らも悩んだり迷ったりするところもあるだろうし、その戸惑いの中で一緒にやっていくという感覚だと思います。でも、もしかしたら5期生、6期生の頃には"歌劇学園"になってるかもしれない。

ーー学校化の可能性があるんですか?

ありますし、そこはわりと目指しているところです。宝塚は、"宝塚音楽学校"になったから残ってると、僕はそう思ってるんです。他(の歌劇団)はないんですよ。宝塚だけが学校を作ったの。学校のシステムがないと長くは残れないと思うんです。
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ーーやっぱり「ちゃんと教育する」ことが大事ということなんですね。

そう。宝塚の命はここだと思っているので、もし僕らも長くやるんだったら学校が必要かな、と思ってます。

ーー現在、歌劇団のメンバーを募集中ですが、どんな方に来てもらいたいですか?

特に"来てもらいたい人"というのはないですね。「君に出会いたい」、それだけ。応募しようとすることだけで勇気がいると思うし、面接を受けるというのもハードルが高い。さらに課題曲があり、ダンスを踊るというところでまたハードルが上がるし。そんな中でやって来られる子っていうのは、本当に舞台をやりたい子なんだろうと思うし、その夢を持っている子は尊重したい。すべての子に出会えてよかったと僕は思いたいですね。ただその中でやっぱり自分が思うところはあるので、最終的には選ばざるをえないですけど。だから、いろんな子たちにチャンスがあると思います。芝居がうまい子はダンスを勉強すればいいし、ダンスがうまい子は違うことを勉強すればいい。総合芸術なので、芝居だけというわけにはいかないし、ダンスだけ、歌だけというわけにもいかない。一人ひとり、得手不得手の凸凹はあるだろうけど、いろんなことを学んでほしいですね。

ーー現時点でお話ししていただける具体的な活動内容はありますか? 

専用劇場を作ることと、CGのチームを作るということは決まっていますけど、あとはまだそんなに具体的には決まってないですね。基本は劇場が活動の中心になると思います。
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ーー広井さんは以前、「このプロジェクトはきっと、ぼくも含めスタッフの成長物語でもある」とおっしゃっていましたが......。

そうですね。スタッフというのは子どもたちの指針になるから、そこがグズグズになれば子どもたちもグズグズになっちゃう。なので、そこはすごく気をつけて、スタッフにもきちんと対応してもらいたいと思っているので、スタッフ教育も含めてやらなきゃいけないかなと思ってます。

ーーそこは本当に肝ですね。スタッフ教育をちゃんとすることが、子どもをちゃんと教育することにもにもつながる。

そう思います。子どもだけ教育してもダメなんです。

ーーちなみに、オーディションでは何名程度の採用を予定してるんですか?

30名くらいは採用したいと思ってます。ただ、お子さんがやりたいと言っても、ご両親が反対される場合もあるだろうから、そういうことも含めてスタッフを見てもらいたいと思います。

ーー大切な子どもをちゃんと任せられる大人かどうかを......。

そうそう。大切なお子さんをお預かりするわけだから、スタッフがきちんとしてないと預けられないじゃないですか。

ーー確かに。では、最後に意気込みをお聞かせください。

すごく楽しみなんですけど、同時に怖いです。楽しみの後ろ側に怖さがすごくある。でも、ものづくりって怖さを持ってるかどうかなんですよ。「こんなの簡単にできる」なんて思ったらたぶんダメなんです。だから「怖い」という気持ちもすごく持っていて、そこに関しては毎日ドキドキしていますし、僕自身、もっと勉強しなきゃと思ってます。

ーートータルすると「楽しい」ということですよね?

もちろん! こんな楽しいことはないです(笑)。
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チーモン・菊地とテゴネ・松村が火花を散らす!? 12月13日より『アルセーヌ・ルパン対シャーロック・ホームズ~青いダイヤモンド~』が上演!!

12月13日(木)~16日(日)まで、東京・神保町花月で『アルセーヌ・ルパン対シャーロック・ホームズ~青いダイヤモンド~』が上演されます(注:15日は休演)。

本作は、希代の怪盗ルパンと名探偵ホームズの対決を描いた華麗なるミステリー。初めての本読みを終えたばかりのホームズ役のチーモンチョーチュウ・菊地浩輔とルパン役のテゴネハンバーグ・松村惇史に、舞台の見どころなどを尋ねました。
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(向かって左:チーモンチョーチュウ・菊地浩輔/右:テゴネハンバーグ・松村惇史)

  *  *  *  *  *  *  *

――この企画についてお聞きになったときはどう思われましたか?

菊地:僕は、神保町花月でのしっかりしたお芝居は久しぶりなんですよ。もう10年近くは出ていないと思います。(※2010年4月ぶり、日替わり出演では2013年8月ぶり)
松村:えっ、そうなんですか。
菊地:そう。だからワクワクしていますね。僕は、今までこういうシュッとした知的でインテリな役をやったことがなかったんですよ。普段はどちらかというと体力バカじゃないですけど、そういうイメージが強いみたいで。明るい元気な役が多いので、こういう憧れに近い役をやれることになって嬉しかったです。
松村:僕は、アルセーヌ・ルパンという人物を知らなくて、アニメの『ルパン三世』しか知らなかったんです。だから、「あの『ルパン三世』が僕にできるのかな、モノマネしてしゃべるのかな」と思っていて。
菊地:(アルセーヌ・ルパンは)あのルパン三世のおじいちゃんってことだからね。
松村:っていうことですよね。ただ、今日の本読みで感じたのは、血を引いているだけあって、『ルパン三世』の雰囲気も少しあるなって。アニメはずっと見ていましたし、思い入れを持ってできるのかなと思いました。

――台本を読むと翻訳劇のようなセリフ回しで、現代を舞台にしたお芝居とは少し違うような感じを受けました。

菊地:普段、使わないような言い回しなので、やりにくいのかやりやすいのか、どっちに転ぶのかなって。ぜんぜん違う分、逆に役に入っていきやすいのかなと思いました。

――読み合わせてみていかがでしたか?

松村:もうすでにここふたりの間に緊張感が出ているように感じましたね。僕は普通に読んでいるんですけど、菊地さんが引っ張ってくれていました。
菊地:ははは! ちょっとかっこつけてました。

松村:(笑)乗せられる感じがあって、ありがたかったです。ただ、対等に向き合っている役なので、負けないぞという気持ちでこの先やっていきたいですね。

――おふたりが衣装で写っているチラシができていましたが、実際に扮装してみての感触はどうでしたか?

菊地:僕はテンションが上がりましたね。かっこいいなぁって。
松村:似合ってましたよね!
菊地:ほんと? あれ着て舞台立ってしゃべりだしたら、めっちゃ頭いいんじゃないかと勘違いしてもらえそうだなって。でも松村くんも似合ってるじゃない。こういう顔だから変装うまそうだし。
松村:ああ、のぺっとしてるから(笑)。
菊地:スッと何にでも化けられそう。
松村:僕はね、まだ衣装に着られている感があるんですよ。衣装に負けないように、これから頑張ります。
菊地:役が入ってくればね。
松村:はい。そのうち私服みたいな感じになるんじゃないかなと。
菊地:これ私服ってすごいな。ルパンですら、私服じゃないでしょ。
松村:いざ行くときの格好ですよね。

――改めて、それぞれの役柄について教えてください。まずはシャーロック・ホームズ役の菊地さんから。


菊地:読み合わせしてみて思ったのは、立場が違うだけでルパンと性格は似ているのかなと思いました。知的好奇心が強くて、負けず嫌いでっていう。敵対しているけど通じ合うところがあって、でもライバル心もあって......というところが見ている方に伝わればいいなと思います。

――ルパンとの違いはどこだと思われますか?

菊地:ルパンのほうが色男感がありますね。ホームズのほうはちょっと変わった人で、女子にもあんまり興味がないっていうイメージがあって。『ガリレオ』の福山雅治さんみたいな感じなのかなって。

松村:あー、似てますねぇ。
菊地:あまりにも福山雅治さんに寄りすぎないように、参考にするくらいにしたいと思います。
松村:立ち稽古で、バリバリにモノマネするのやめてくださいよ?
菊地:気づいたら同じ感じになっていないように、オリジナリティが出せたらいいなと思います。
松村:さっき、読み合わせが終わってみんなが一息ついているとき、菊地さんはもう1回セリフを見直していて。そんな綿密さがホームズっぽいなと思いました。
菊地:本読みで追いつけなかっただけだって! 

――では、アルセーヌ・ルパン役の松村さんは?

松村:ルパンは、どんなときでも表情を崩さず余裕な雰囲気がありますね。
菊地:色気あるおしゃれ感を、声から感じるなと思いました。
松村:ありがとうございます。で、余裕ぶっていたルパンが後半追い込まれるんですけど、そんなときでもポーカーフェイスでいないとな、と。そこはしっかり演じないといけないなと感じました。
菊地:その辺はお互いの助手にかかっていたりしますね。うちの助手はものすごく頼りないんで(笑)。ワトソンを演じる(ラフ・コントロールの)森木さんが大変だろうなと思います。セリフ量がたぶん一番なんですよ。もう本番は、手にびっしりカンペ書いてくるんじゃないかなって。
松村:ははは! 僕のほうは相棒が相方(テゴネハンバーグ・弓場)なので、そういう意味ではやりやすいですね。弓場演じるモーリスは『ルパン三世』で言えば、次元大介みたいな感じで。あの関係性って、中学から同級生の僕ら自身にも重なるところがあるので、自然にできるんじゃないかと思っています。

――共演者のお話で言いますと、ルパンを追い続けているガニマール警部はラフ・コントロールの重岡さんが演じられます。

菊地:めっちゃハマり役だと思います。今日はおとなしく本読みしていましたけど、稽古になったらだいぶ入れてくるんじゃないかなと楽しみです。

――今日は皆さんさらっと読まれていたんですか?

菊地:それでも重岡さんはポロポロと出てはいましたね。
松村:「ルパァ~ン!」みたいな感じでした。

菊地:ラフ・コントロールさんは1年目からお世話になってる先輩なので、気心知れていますし、一緒にやれるのが楽しみです。

――アドリブなどで弾けられるような場面はありそうですか?

菊地:どうなんですかね!? 僕と森木さんのところはイメージできますけど、逸れだしたらがーっといっちゃって、どこで戻そうみたいな感じにもなりかねないかなって思います。特にガニマールさんとの絡みでは。
松村:逸れていっちゃいそうですね。
菊地:だから、ちゃんと戻せるようにしておかないと。
松村:僕は菊地さんと何かできそうやなって思ったんです。おしゃれなやりとりがあるじゃないですか。外国映画とかでたまに見る"ほんまにそんなこと言ってたんかな"っていうようなやりとり。
菊地:フランス映画みたいなね。
松村:そういうのをやり合えたらいいなとは思っています。

――客観的に見て、ルパンとホームズ、どちらのタイプに憧れますか?

菊地:ルパンのほうがかっこいいですね。色気ある感じとか、おしゃれな感じとか。ホームズはちょっと不器用そうなので。
松村:僕は憧れは完全にホームズです。いいじゃないですか、真面目一徹みたいな感じで。
菊地:まぁ、確かに。それぞれを主人公にしてラブストーリーを作るとしたら、どっちも違う方向でいい話になりそう。
松村:確かに。そんなスピンオフもいいですね。

――おふたりはお芝居で共演されるのは初めてですか?

菊地:そう、初めてなんです。ライブでの共演っていうのはあるけどね。
松村:でも、役柄的にその距離感がちょうどよかったんちゃうかなと思ったりもするんですよね。
菊地:今回で距離感が縮まるかもしれないね。
松村:楽屋でおしゃべりさせていただいたくことはよくありますね。菊地さんはとにかく優しいし、面白い人やし、観に来てよかったと思わせようっていう姿勢、勉強になってます。何事にも手を抜かないっていうのは尊敬でしかないですね。
菊地:嬉しいですね。こういう話をしてもらいながら2時間、ただ呑みたい。絶対呑みにいこうな!(笑)
松村:2時間ずっと、僕が褒めるんですか?
菊地:そうしてほしい! 僕から見た松村くんは真面目だなっていうイメージ。あと、ネタを見ていてもいろんなことができるので器用な人だなと思います。静かな人かと思っていたら、いきなりトップギアに入れたりとかもできたりするので。
松村:ありがとうございます!
菊地:じゃあ、そういう褒め合う会しましょう。
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――では最後に、よしもとニュースセンターをご覧になっている皆さんへメッセージをお願いします。

菊地:僕は久しぶりの神保町の舞台で、しかもやったことない役柄で。新しいチーモンチョーチュウ菊地を見たければ、ぜひこの舞台に足を運んでください。頑張ります。
松村:台本を読んだだけでワクワクドキドキしたので、これはみんなが気持ちを入れてやったら、すごいことになると思いますね。ちょっとした仕掛けがあったり、変装があったりもします。その辺も見どころだと思います。よろしくお願いします。

『アルセーヌ・ルパン対シャーロック・ホームズ~青いダイヤモンド~』
【日程】
13日(木)19:00開演
14日(金)19:00開演
15日(土)休演日
16日(日)14:00開演/17:00開演

【会場】神保町花月
【チケット】前売3000円 当日3500円
【Yコード】999-070

▼詳細ページ
http://www.yoshimoto.co.jp/jimbocho/kouen_schedule/pc/2018/12/post-86.php

▼神保町花月ホームページ
http://www.yoshimoto.co.jp/jimbocho/sp/

▼チケットは【チケットよしもと】にて発売中!
http://yoshimoto.funity.jp


【チーモンチョーチュウ】【菊地浩輔】【テゴネハンバーグ】【松村惇史】


犬の心・押見が演出『解放』がいよいよ11月16日開演!押見×ヒラノショウダイ×いまさらジャンプ山田座談会

11月16日(金)~18日(日)まで、東京・神保町花月にて犬の心・押見泰憲が演出する『解放』が上演されます。

本作は、登場人物6人だけの、密室で繰り広げられる会話劇。いったいどんな舞台になりそうなのでしょうか? 稽古真っ最中の押見と、出演のいまさらジャンプ・山田裕磨、ヒラノショウダイを直撃し、公演の見どころなどについて語ってもらいました。

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(向かって左から:犬の心・押見泰憲/ヒラノショウダイ/いまさらジャンプ・山田裕磨)

 *  *  *  *  *  *

――物語の内容について、脚本のたぐちプラスさんと押見さんで作っていかれたんですか?

押見:そうですね。プロット段階から相談して。なんなら稽古中も相談しながらやっていますね。

――この作品のアイデアというのは、どのようなところから?

押見:脚本のたぐちさんは、「締め切りに追われすぎて、"解放されたい"っていう気持ちをタイトルにしたんだ」っておっしゃっていました(笑)。なので、セリフの端々に「たぐちさんって日頃こういうこと思ってるんだ」っていうのは感じますね。

――演出される上で注意されている点は、どんなところでしょうか。

押見:ふざけてはいます(笑)。台本を壊さない程度に、できるだけ笑いを増やす作業をしていますね。

――出演者のおふたりはいかがですか?

押見:このふたりはよく一緒にやっているのである程度信頼感がありますね。ほかに初めての子もいますけど、稽古しながら「こんな子なんだ」ってわかったり。「この子、この役合わないから配役変えないとな」とか。
ヒラノ:ありましたね(笑)。
押見:配役、変えました。初日の本読みの段階で「あ!」と思って。
山田:僕がやることになった松葉役は、元々ぺんとはうすヤマトがやるはずだったんです。でも、本読みの段階で交代になりました。

――松葉は重要な役ですよね。

押見:そうなんですよ。だから、重要な役をあいつが背負えなかったってことですよね。まぁ、人数が少ないので全員がキーパーソンではあるんですけどね。合う合わないがあるので、変えてよかったです。

――ではヒラノさん、山田さんはお稽古してみての感触はいかがですか?

ヒラノ:本読みを1回して、配役が変わって。次にまた本読みして、押見さんが体調崩して稽古がなくなり......(笑)。
押見:だから、昨日が稽古初日みたいなもんだよね。
ヒラノ:稽古がなくなったのでセリフ覚えておいてくださいって言われて、稽古が再開したら今度は台本が少し変わっていて。
押見:ごっそり変えたとかじゃなくて、パズルを組み替えたみたいな感じだよね。僕は芸人をやっていて、自分が出ることも多々あるのでそう思うんですけど、芸人だったら対処できるんじゃないかなって。役者さん相手だったらこんなことしないと思います。

――じゃあ、それに対しておふたりも見事に対応されて?

押見:本番どうなるか、まだわかんないけどね。
ヒラノ:ハハハッ! 僕らもまだ全容が見えていないので。

――ほぼ出ずっぱりで、大変そうですね。

山田:そうですね。出たらずっとハケずに舞台にいるので、そこはみんなでの助け合いになるのかなと。だから台本通りに覚えていると進まないだろうなとは思います。誰かがセリフを飛ばしたりすることも絶対にあると思うので、そういうときにうまく汲み取れたらいいなと思います。

――では、それぞれの役柄について教えてください。

ヒラノ:僕は高嶺凌というシナリオライターの役です。先ほどの押見さんの話で、いろんなセリフが「これはたぐちさん自身の言葉だったんだ」と初めて知ったんですけど(笑)。どういう人物かというと......内容に触れずに説明するのは難しいな。......一見ちゃんとした人に見えますけど、ダメなところは自分に近いような気がしますね。僕も遅刻の言い訳とかしちゃうほうなんで。
押見:一番よくいるような人かもしれない。善良な人なんだけど、ダメな部分もあるっていう。で、山田の演じる松葉海良という役は、稽古でがらっと変わったんだよね。
山田:僕は、みんなより一日遅れて稽古に参加したんですけど、その時点でまったく変わっていました。最初の本読みでは闇を抱えたような人だったんですけど、稽古していくうちにバカ正直な部分が前面に出されて、どっちかといえば天然な感じになっていました。
押見:キャラクターを変えたっていうより話のシステムをちょっと変えたので、それに伴って変わりましたね。なんていうか......すげーバカになっちゃった。
ヒラノ:シンプルにいえばそうですね。
押見:バカが頭いいことしようとしてるやつになりました。

――おふたりのキャラクターは、少し因縁のある間柄で。

ヒラノ:そうですね、一悶着ありますね。
押見:僕は俯瞰で全部を見るじゃないですか。そうすると「全員、大したことねーことを大ごとにしちゃってるよな」って(笑)。
ヒラノ:最初の台本では、このふたりのやりとりがすっごくシリアスな、人生を揺るがすような大問題として描かれていたんですよ。でも、稽古を重ねてみると、多分そんなことにならないだろうなって。改札前の痴話喧嘩ぐらいに見える、でも真剣、ぐらいの見え方になってきそうだなと思いますね。
押見:ワンシチュエーションの会話劇ってよく言われるけど、会話劇なのかなってだんだん思ってきて。
ヒラノ:バカ6人の......。
押見:ふざけ合いみたいな感じになりそうです。

――アドリブもけっこうありそうなんですか?

山田:日替わりで変えて、演者を笑わせたいなって思ってます。アドリブって本来お客さんを笑わせるものなので、本当はいけないことだと思うんですけど、今回、僕がキャストの中で一番芸歴が上なので、そこの部分をちょっと楽しもうかなと思っています。
押見:自由度は高いからね。
ヒラノ:普段、山田さんはクールだったりクレバーな役が多いから、あんまり遊べないですもんね。こういう役、珍しいですよね。
山田:そう。神保町花月のお芝居にはもう20何本出てるんですけど、多分こんなにふざけた役は初めてじゃないかと思います。
押見:ふざけた役だよねぇ。確かにこのふたりって、見た目とか声のトーンとかからして、話を進める柱のキャラクターにしやすいんですよ。だから、今回みたいなのは珍しい。コンビではボケだっけ?
山田:ツッコミです。
押見:あ、そうか。でも意外とこういうのもやらせたら楽しそうだなって。ネタでツッコミの人でも、普段は天然だったりすることってあるじゃないですか。ツッコミの人って基本的にはちゃんとしてそうに見えるけど、そういう"ちゃんとした人"がヘンだったりするほうが面白いと思うんですよ。

――そんな演出家・押見さんは、おふたりにとってどんな存在となっていますか?

山田:ボケなし、ヨイショもなしで率直に言うと、出演依頼のメールが来たときに「演出 犬の心押見」って書いてあった時点で「出る」という返事をしました。僕、最初に神保町花月のお芝居に出演したときの作品で、押見さんと共演したんですよ。『ナツテール』っていう......。
押見:ああ!
山田:キャストが犬の心さん、シューレスジョーさん、ピクニックさん......。そこに芸歴3ヶ月ぐらいの僕がポンと入れられて。そのとき、押見さんからいろいろ教わったりお話してもらったりして、それ以来ずっと尊敬しています。
押見:いやぁ、恥ずかしいっすね......。芸人の演者は、芸人の演出家で助かるって思う人が多いと思うんですよ。ゴリゴリの演劇畑の人のすごさっていうのもあるけど、稽古の気楽さは芸人演出家ならではだと思う。本番がいいか悪いかは別としてね。
ヒラノ:僕も、今回「演出 犬の心押見」を見て、即返信しました。押見さんには去年の11月に初めて演出つけてもらったんですけど、そのときも最初の本読みと本番の雰囲気ががらっと変わって、すごいなと思いました。台本を読んだ段階で「ここ絶対、真剣なシーンだからマジメにやらなきゃ」と思っていたところを、笑いの箇所にしちゃったりするんですよ。でも、それで話がブレたりしないっていう演出の仕方で。それまでは、シリアスなところはシリアスに、面白いところは面白く、っていうのが普通だと思っていたので、「こんなことできるんだ!?」って新鮮な感動がありました。なので、押見さんの演出なら絶対出たいなと。まぁまぁ、神保町からの依頼を僕が断ることはないんですけどね。
山田:俺が感じ悪いやつみたいじゃん。
ヒラノ:ハハハッ! ほんと神保町花月にはお世話になっているので。で、去年は押見さん演出の作品のあとに、家城(啓之)さん演出の作品で、演者として押見さんと共演もしていて。
押見:そうだね。今、名前が出たから言うけど、僕は家城さんが演出された作品に出たときに、今ヒラノが言ったのとまったく同じことを思ったの。捕らわれの身だった僕が、脱出するチャンスをもらってみんなで走って逃げるっていうシーンを、緊迫感ある音楽の中でやるんだけど、家城さんが「これ、押見足遅いやつってことにしようか」って。で、脱走しているときにどんどんみんなから遅れて最終的にはジョギングぐらいになるっていうのをやったんだよね。そうしたら、確かに笑いになるけど緊迫感も削がれず面白いシーンになった。それで「こういうことやっていいんだ」ってわかったんだよ。それから、僕が演出させてもらうときは、そういうことをやっちゃいます。シリアスなシーンほどちょっと崩したら笑いになりますし。マジメに見てるのに急にヘンなことになるから、お客さんとしては「これ笑っていいのかな」となるかもしれないですけど、「笑っていいんだよ」と言いたいです。

――台本を読んだだけだと、密室劇だから緊張感を持って見てしまいそうな感じがしましたが......。

押見:絶対ないです。緊張する空気を作らせません。笑って見ていただければと思います。

――では、タイトルにちなんでお三方が「解放されたい」と思うものは?

押見:稽古ですね。早く本番始まってくんねーかなと思ってます。本番が楽しいからやってるだけで、ネタとかでも打ち合わせはそんなに楽しいもんじゃないですよ。本番を楽しむために苦労しているっていうだけですね。
山田:僕はバイトですかね。今日もバイト終わってからここに来ているので。バイトから解放されてお笑いだけで生きていきたいですね。
ヒラノ:僕はほんとにないかもしれない。バイトも楽しんじゃってるし......。居酒屋のバイトなんですけど。
押見:ホール出てるの?
ヒラノ:ホールもキッチンも。
山田:居酒屋のバイトで楽しいと思ってるやつなんて、この世にいるの?
ヒラノ:いないですかね......? 周りが同期の芸人ばっかりなんで、ずっと楽屋にいるみたいな感じなんですよ。
押見:すげーな。じゃあぬるま湯から解放されないと。
ヒラノ:その通りですね。
押見:新しいことをしたいとかは?
ヒラノ:あ、車の免許持ってないんですよ。27にもなって。なので無免許から解放されたい。
押見:俺、41で免許ないけど。
山田:えっ、新潟出身ですよね?
押見:高校卒業してすぐ、こっち来たんで。......恥ずかしいね。パスポートもないから、身分を証明するものがなくて困ってるんだよ。(山田に)免許ある?
山田:持ってます。僕、群馬の田舎なので、車ないと生活が厳しかったんです。
ヒラノ:じゃあ、いつか押見さんと一緒に免許取りにいきます。

――では、最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

山田:6人出ずっぱりで、人数は少ないんですけど、その人数の少なさを感じさせないような笑いの量になっていると思います。笑いたいと思っているお客さんには満足していただける公演になっていますので、ぜひお待ちしています。
ヒラノ:神保町花月の公演の良さって、笑えて、若手の芸人が頑張ってて最後ちょっとほっこりするというところだと思うんですけど、それが全部詰まっている作品です。そして押見さんがいかに天才であるかということがありありと舞台上に出ている公演になっていると思います。
押見:若手の劇場なので、お客さんが入らない公演もありますけど、毎回面白いは面白いんです。今回も面白いことは間違いないと思いますので、ぜひ足を運んで、笑ってください。


【犬の心】【押見泰憲】【ヒラノショウダイ】【いまさらジャンプ】【山田裕磨】


『黒猫ダイアリー ―僕とぼくの家族のカラフルな毎日。―』が好評発売中のミキにインタビュー! 亜生「表紙は奇跡的に撮れた1枚です」

ミキ・亜生と彼が保護した個性的な猫たち(助六、銀次郎、千太郎)による日常的な触れ合いをカラフルに切り取った日めくりカレンダー『黒猫ダイアリー ―僕とぼくの家族のカラフルな毎日。―』が現在、絶賛発売中です。

亜生と黒猫たちによるカワイらしい写真と、黒猫と生活することによって思いが31日分のメッセージとなって綴られている本作。兄・昴生もときどき登場しています。
今回、ミキの2人へインタビュー。ダイアリーができあがっての心境、保護猫への思いを愛情たっぷりに語る亜生と、猫と同等の扱いにちょっぴりすねる昴生。2人のほのぼのする掛け合いを楽しんでください!
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(向かって左:亜生/右:昴生)

 *  *  *  *  *  *

――出来上がりをご覧になった感想を、まず聞かせてください。

亜生 すーーーっごくカワイイです! 表紙には2匹の猫が写ってるんですけど、このあと2匹とも機嫌が悪くなったので、奇跡的に撮れた1枚なんです。裏の写真が撮り出して2枚目のものなんですけど、ここから言うこと聞かへんくなって、めちゃくちゃになっちゃいました。最初、マネージャーがお兄ちゃんに内緒で僕だけに「ちょっと亜生さん、いいですか?」って言ってきたのが、このダイアリーのことで。
昴生 内緒っていうても、楽屋の隅で話してるんでバレバレなんですけどね。
亜生 『世界の果てまでイッテQ!』の特番で、初めて伝えたんですよ。その時のお兄ちゃんの衝撃!(笑)
昴生 こそこそ喋ってるから、また1人で仕事すんねやろなと思ってたんですけど、まさかダイアリーを出すとは。1人やったらまだしも黒猫とっていう謎のやつで......。ミキでええやん、それやったら! ほんまにわけわからへん!
亜生 最初はお兄ちゃん、入ってなかったんですけど、僕の優しさから入れるようになったんですよね。
昴生 優しないよ、こんなん。もっと大々的にミキでええやん。ミキと亜生家族のカラフルな生活でよかったやん! 僕、千太郎と同じ扱いですよ?
亜生 なんやったら、千太郎のほうがページ数多いからね。猫たちにも見せましたよ。なんの反応もなかったですけど(笑)。最近、家を空けることが多いんで、千太郎の面倒を看てくれてる隣のおばちゃんに助六も銀次郎も懐いてしまって。昨日まで3連休で宮古島に行かせてもろうてたんですけど、帰って来てもまったく見向きもせぇへんし、触らしもしぃひん! 薄情なもんです。でも、好きなんで結局、一緒に寝ましたけどね。
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――先ほど表紙の写真が奇跡の1枚だと話してましたけど、撮影は大変でしたか?

亜生 大変でした! 助六は銀次郎と千太郎が知らん部屋(撮影スタジオ)にいるのがイヤなんで、助六を撮る時は2匹をゲージに入れて、1ショットにして。
昴生 ふふふ......亜生の笑顔、全体的におかしいもんな。
亜生 今今今!って感じやったからね。
昴生 僕も現場におったんですけど、助六は猛獣かのごとく、ずっとフーフー言うてて怖かったです。
亜生 ははは! でも後半、1匹にしたらスタッフさん全員、撫でさせるほど落ち着いてて......ほんまにようわからんかった。結局、助六がいちばんキレイな写真も撮れました。

――3匹の見分け方は?

亜生 いっちばん小顔なのが、助六。女の子なんですけど。

――女の子なのに助六!?

亜生 間違えちゃったんです(笑)。生まれて15~20センチくらいの頃、病院に連れて行ったら、男の子ですって言われて。その時、僕の家のテーブルに助六寿司が置いてあったんで、助六っていう名前にして治療してもらったんですけど、2週間後、女の子でしたって言われて。けど、すでに名前で呼んでたんで、そのままにしたんです。で、銀次郎は顔も体も大きくて、ほかの猫よりちょっとだけブスです。仙太郎は撮影の時、ちいさかったんですけど、今は大きくなって男の子やのに助六みたいな顔立ちの男前になってきました。
昴生 僕は千太郎を連れて帰りたかった。撮影の時、猫じゃらしでずっと遊んでくれててカワイかったです。

――亜生さん、昴生さんとの撮影はいかがでしたか。

亜生 助六と撮影してる時、千太郎の子守をしてくれてたのがありがたかったですけど。
昴生 ふぅ......子守担当ですわ、僕は。
亜生 ふはは! まぁ、お兄ちゃんとの写真もステキですよね。
昴生 僕はあえてジェルを使わない髪型にしたんです。たぶん、気づいてくれてる人もいると思うんですけど。
亜生 朝早かったから付けてないだけ!
昴生 違う! 基本、前髪をあげてるんですけど、落としているところがポイントです。僕のファンならたまらんと思う。
亜生 マジで聞くけど、前髪ある?
昴生 あったり、なかったり(笑)。......それにしても、僕の寝癖、もうちょっとなんとかならんかったんかな?
亜生 さっき違うふうに言うてたのに、寝癖って言うてもうたやん! お兄ちゃんとの撮影はすぐ終わったんですよ。早かったよな?
昴生 15分くらいで、大丈夫ですって言われて。僕的によくはなかったんですけど、いざできあがったものを見たら案の定でした。昴生っていう名前もちゃんと入ってないでしょ? それに、僕が一言添えたってよかったわけじゃないですか。"弟と猫がありがとうございます。全員、僕の弟みたいなもん。弟が増えた感覚です"って。どうっすか? いいでしょ!
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――昴生さんの紹介、ちゃんと載ってるらしいですよ。表紙の裏のところに。

昴生 えっ!(と言いながらダイアリーを見て)猫と同じくくりで紹介されてる! ケバブ大好き人間ってなんやそれ!......嬉しいんですけどね。

――(笑)。それにしても亜生さん、猫を保護したこともすごいことですけど、自分で飼うことをよく決意しましたね。

亜生 助六を拾った時、最初は飼うつもりはなくて里親とか貰い手がいたらいいなと思ってたんです。けど。見つからなくて。銀次郎は3兄弟やったんですけど、この子だけ残ってしまったので飼うことに......。
昴生 (話を遮って)あのね、僕らの漫才の出囃子『魔女の宅急便』なんです。ジジって黒猫でしょ? このダイアリーが売れたら、コンビの危機です!
亜生 ......なんでそうやってお茶を濁すん?
昴生 思いついて、言わずにはおれんかった! どこかに残したかった!(笑)......いや、僕もね、助六と銀次郎はちっちゃい頃から知ってるんです。けど、あんな子たちじゃなかった。昔は実家の犬と寝てたりしたのに、大人になったら反抗期になっててびっくりですよ。
亜生 人が嫌いになってん。銀次郎は優しいんですけど、助六はたぶん初めて拾って、扱い方がわからなかったんで甘やかしたら凶暴になってしまいました。触ろうとしたら、わー!ってやられるんですよ。まぁ、それでもカワイイんですけど。
昴生 亜生は動物がめっちゃ好きなんです。ちっちゃい頃の夢は、ムツゴロウ王国に入りたいやったもんな? 仲よかった友達と2人でワンルームの部屋を借りて、いっぱい動物を飼うんやって言うてた。当時、ワンルーム?って思ってたけど。
亜生 うわぁ! してたなぁ、そんな話。その友達、獣医みたいになったって聞いたで。
昴生 目指すところは2人とも叶えたんかなぁ。その子は獣医で、亜生は猫の保護。この3匹のほかにもたくさんの猫を保護してるんですよ。
亜生 芸人が見つけると、僕のところに連絡がくれるんです。家の中には助六たちがおるから、浴槽で育てたりして、多い時に7匹くらいいました。その間はたとえ冬でもちょろちょろのシャワーを浴びながら猫の邪魔しないように、お風呂に入ってましたね。
昴生 僕も保護してもらったことがありますし、子猫を見かけると亜生!って思います。
亜生 鳴き声が聞こえたら、元気かだと確認するまでは探し続けることをモットーとしてます。で、ガリガリに痩せてたり、足を引きずってたりしたら保護します。
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――何がきっかけで、そこまでの使命感を持ってしまったんですか?

亜生 助六と銀次郎を拾ったあと、もしかしたら今、大阪で命がなくなりそうな猫がいるかもしれないって思ったらいてもたってもいられなくなって。頭にライトをつけて、ずーっと自転車で探してました。後輩に見つかって写真を撮られた時は、めちゃめちゃ恥ずかしかったですけど。
昴生 僕が高熱出した時はなんにも言うてこうへん。生死の境をさまよってたのに......!
亜生 (笑)生きられるから、お兄ちゃんは!
昴生 ははは! 亜生は今後も猫を保護していくでしょうから、ダイアリーも第2弾、第3弾とできるはずです。あっ、亜生 in 猫島とか野良猫探検隊っていうのを定期的にどこかで連載してもらって、1年に1冊作るっていうのはどうですか? 亜生が撮影して。
亜生 それいいかも! やってもいい? 1ヵ月くらい休ませてもらうけど。
昴生 うん、いいよ。
亜生 え、いいの? 絶対にあかんって言うと思ってた。僕が休んでる間、何すんの?
昴生 吉本新喜劇に出させてもらう。うどん食うてるわ。
亜生 最初に出て来る人かぁ(笑)。
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――その企画、面白そうですね。実現することを祈りつつ、最後によしもとニュースセンターを読んでくれているみなさんへ、改めてダイアリーのアピールをお願いします。

昴生 ウォーリーを探せ!的な感じで、僕・昴生を探してください。
亜生 お兄ちゃんを探してください。黒猫はインスタ映えしないとか言われてますけど、このダイアリーを見て一気にファンが増えたらいいなと思います。ほんまに黒猫ってカワイイんです! 猫って毛の色や柄によって性格が違うって言われてますけど、黒猫は静かで優しくて飼いやすい。一人暮らしで猫を飼ってみたい人がいたら、ぜひ。あと、猫の保護っていう意味でも、このダイアリーが少しでも力になればいいなと思います!
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【ミキ】


ルミネとNGKでの25周年ライブが迫る! COWCOWが語る試行錯誤の25年間

高校の同級生、NSC同期を経て、1993年に結成したCOWCOWの2人。
今年で結成25周年を迎えるにあたり、『COWCOW 25th LIVE ~あのひとはFinally ぼくらはAnniversary~』と題した単独ライブが、11月17日(土)に東京・ルミネtheよしもと、12月9日(日)に大阪・なんばグランド花月でそれぞれ開催されます。


今回は、決して平坦ではなかったその足跡を振り返りつつ、25周年ライブへの意気込みを伺いました。

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《COWCOW》
左:多田健二(ただけんじ)、右:善し(よし)


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――25周年の記念ライブということですが、この25年を振り返り、転機は?


善し 細かく言うといろいろあったんですけど、最初に大きいのは、2001年の上京になりますね。大阪で、舞台とかテレビに出させていただいたんですが、大阪とか地方の芸人ってみんなそうやと思うんですけど、東京へ行くのは大きな転機やったと思います。
多田 そうですね。


――2001年に東京進出するというのは、何かタイミングがあったんですか?


多田 2001年にルミネtheよしもとが出来て、当時のルミネtheよしもとの支配人の方から「東京に来るなら今やぞ」って言われたのもありました。それと、大阪では新人賞を3ついただいたんですが、2001年に『M-1グランプリ』が始まったんです。こんなデカい漫才の大会が出来たんやから、上京して結果を出すんだと思い描いていたんですね。でも2001年の『M-1』では準決勝どまりで、決勝へは進めず、2002年も準決勝どまり。2003年が芸歴的にラストイヤーだったんですけど、そこでもいけなくて、自分たちが得意と思っていた漫才で結果を出せなかったのは、すごいショックでしたね。
善し 結局、東京に来たのは、テレビに出たりだとか東京で活躍するっていう意味だと思うんです。でも、ネタ番組が少ない時代でもあったので、年に1回の『M-1』があって、あとは深夜にちょっとあるくらいで...。
多田 『M-1』で活躍した人をテレビや劇場で使い出すので、どんどん僕らの仕事がなくなっていき。
善し 悪循環ですよね。
多田 ルミネの楽屋で、一ヶ月のスケジュールを見た相方(善し)が、「こりゃあかん!」って言ったのを覚えてますね。
善し 僕も覚えてますね(笑)。
多田 僕ら漫才に自信を持っていたので、それ以外のお笑いのオーディションは適当じゃないですけど、全力でやってなかった感じなんですよ。だけど、東京来たからには、いろんなオーディションを全力でやらなと思って、そこからものまねとかコント、ショートネタとかいろんなジャンルのお笑いに取り組みましたね。その頃は(芸歴制限のないピン芸のコンテスト)『R-1ぐらんぷり』しか出るコンテストがなかったので、お互いが『R-1』の予選を受けて、ピンネタを作ったり。劇場では漫才をやるんですけど、漫才以外のことにも力を入れよう...力を入れざるえないといいますか(笑)。

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善し 『秒殺』っていうギャグのイベントも2004年くらいから?
多田 そう。当時、いろんな芸人とユニットコントをやっていたんですけど、その時のマネージャーから「そんな仲良しライブをやっていてもしょうがないじゃないですか」「多田さんがギャグをやって、どんどん後輩を負かせていく、そんなストロングスタイルのイベントをやったらどうですか」って言われて。テレビとかで「何かやって」と言われた時、ギャグは非常に重宝するので、東京に来たての頃は、よりギャグを考えるようになり、ギャグだけのイベントをやるようになって、それが最終的には日比谷野外音楽堂で開催するまでになりましたね。


――2008年開催の『大秒殺』ですね。


多田 そうです。『M-1』に出られなくなって、ちょっと沈んでいた時、ライブでいい感じになった瞬間でしたね。


――上京後の模索期間があったからこそ、今のCOWCOWさんのいろんなネタが生まれたとも言えますよね。


多田 そうですね。自然とそうなっていったというか。
善し やるしかなかったですね(笑)。『ジャングルTV』(『ジャングルTV~タモリの法則~』)とか仕事はあったんですけどね。
多田 「ネタいっぱいあっていいね」って褒めていただけることはあるんですけど、僕らはネタを作るしかなかったです(笑)。そこからちょっとお笑いブームが起きて、『エンタの神様』(2003年)、『爆笑レッドカーペット』(2007年)、『あらびき団』(2007年)とかが始まり、そういう番組に対応していくネタを作って、ちょこちょこ番組に出させていただくようになり、2007年くらいからちょっと上向きに。
善し お笑いのDVDもちょうどこのあたりから、どんどん出だすんですよ。ダウンタウンさんはずっと出ていますけど、若手芸人も、後輩のDVDもどんどん出だして、ちょっとやばいな、DVDを出していないのが恥ずかしくなってきて、お笑いDVDのコーナーを通らなくなりました(笑)。でも、2008年にはDVDが出せて、それから毎年DVDに残すために単独ライブをやるようになりました。
多田 単独ライブを毎年やるようになり、お客さんも来てくれるようになって、ホンマにいい感じでしたね。2007、8、9年あたりは。


――それからネタ番組で活躍されて、それぞれ『R-1ぐらんぷり』でも結果を残すわけですね。


多田 2004年から『R-1ぐらんぷり』にコンビで挑戦していますが、相方は4年連続決勝進出。僕はコンビでネタ番組には出させてもらっているんですけど、『R-1』決勝へは全然行けず、コンビとしては複雑な時期ですよね。


――当時のコンビ仲は?


多田 テレビを見て、相方があんまりウケてへんかったら、「もっとがんばれよ」となるんですけど、めっちゃウケたら、「もうちょっとおさえろ」みたいな(笑)。
善し コンビでもちょいちょい出させてもらうんですけど、まだ確信的なものは何もないんですよね。『爆笑レッドカーペット』にちょっとは出られますけど、かと言って、お笑いブームに乗っかっているだけ、みたいな。


――地に足がつかない感じですか?


善し そうですね。その頃、僕らより若手が多く売れていましたからね。
多田 (『爆笑レッドシアター』の)レッドシアター軍団の、はんにゃ、フルーツポンチ、しずる...そいつらと一緒に出ると、おこぼれ「キャー!」があるので、やりやすい時期ではあったんですけど、コンビ格差はありましたね。


――コンビ格差が埋まったのは、多田さんが『R-1』で優勝された時ですか?


多田 そうですね。『R-1』に優勝させてもらったのが2012年だったんですけど、2011年なんて、拗ねてエントリーしませんでした(笑)。「もうええわ」って。


――不参加の翌年に、五十音BOXという五十音で始まるギャグで優勝したんですね。


多田 はい。爆笑問題さんがMCのネタ番組に出演した時、ネタ以外で爆笑問題さんとの絡みで、特技みたいなのを披露するんですけど、僕はギャグしかないと思って。でも「ギャグやります」ってやっても、絶対すべるんですよ。ほんで、これはどうしようってなり、爆笑さんから好きな五十音を言ってもらって、五十音から始まるギャグが出来たら、MCと絡むことも出来るし、自分もおいしい...この方式めっちゃいいわってなったんですね。最初の頃は、そうやって五十音を募ってやっていたんですけど、五十個もギャグあると、いいギャグとそうでもないギャグの波があるんです。それを見た相方から、「自分の得意なギャグの五十音だけボールに書いて、それをボックスに入れて引いてやったらええんちゃう?」とアドバイスを受けました。


――お二人の合作だったんですね!


多田 そういうことになってしまうんです(笑)。


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――善しさんの当時の心境は?


善し そもそも『M-1』は出られなくなったけど、『R-1』でもコンビの名前は出せるし、コンビで決勝に行けたらいいやんというつもりで挑戦したので、それはホンマにいいなと思いましたね。後輩と一緒にお酒飲みながら見て、感慨深かったですね。
多田 優勝出来てよかったんですけど、よかったのは優勝出来た瞬間だけ。なぜなら、準優勝がスギちゃんやったんですよ。そこから、スギちゃん、スギちゃんとなっていき、「アイツは優勝したのに、全部スギちゃんに持っていかれた」とか、それこそ爆笑問題の太田さんとかに会うたびに言われたり(笑)。もちろん、太田さんなりにいじってくれはったんですけど、「確かになあ」みたいな、ちょっとネガティブになりましたね。スギちゃんの勢いはすごいし。


――でもそこから『あたりまえ体操』で大人気を得ることとなりますよね。


多田 2011年あたりから『あたりまえ体操』の伏線を張っていたんですが、我々を救ってくれました(笑)。
善し ケンドー・コバヤシさんはひとつ先輩で、大阪時代からかわいがってもらっているんですけど、「漫才とかギャグとかものまねとかいろんなネタやって、お前らホンマ『あたりまえ』なことで売れたなあ」って言ってくれました(笑)。


――確かに(笑)。


多田 ケンコバさんは、「K点、超えたな」って言って楽屋から出ていったのもすごく覚えています(笑)。


――超えましたか(笑)。『あたりまえ体操』は『あらびき団』用に作ったネタだったんですか?


多田 いいえ、最初は『S-1バトル』(ソフトバンクモバイル主催の映像作品コンテスト)用に作ったんです。『S-1』は東日本大震災の影響で休止となり、せっかく作ったのに出すところがなくなって、『あらびき団』でやらせてもらったんですよね。で、東野幸治さん(ライト東野)が、「うわ、COWCOW売れたんとちゃう?」って言ってくれたり、当時、ボストン・レッドソックス所属の松坂大輔投手がツイッターで「『あたりまえ体操』大好きです」とかつぶやきをもらって、ブワーって来たんですよ。でも、すぐ『あらびき団』が終わるんです(笑)。
善し 1ヶ月、4回くらい出て終わり(笑)。
多田 眼の前が真っ暗になるって、このことやなって思ったんですが、韓国のお笑い日韓戦っていうテレビの特番に日本代表で呼ばれて、「『あたりまえ体操』を韓国語でやってください」と言われました。うちら客前で『あたりまえ体操』をやったことがないし、しかも韓国で、韓国語でやるのってなりますよね。でも、どうにかやってみたら、すごいお客さんの反応がよかったんです。逆輸入という感じで、2012年に『笑っていいとも!』やゴールデンの番組に呼んでいただくようになって、そこからいろんなところでやらせていただきましたね。そのちょっと前に、ゲッターズ飯田が、「2012年はすごくいい年になる」って言っていたんですよ。それからずっと、ゲッターズ飯田が教祖で、ライブの字画まで聞いたりしています(笑)。


――ライブのタイトルの字画まで(笑)。


多田 あれだけ出させてもらうと、反動はもちろんあったんですが、でも2016年に『歌ネタ王決定戦』で優勝させてもらったのはデカかったですね。『あたりまえ体操』で、いろんな人に知ってもらいましたが、自分らには漫才はもちろん、いろんなネタがあるぞというなかで、コンビとして結果が出せましたからね。


――芸の幅を見せつけましたね。それから2年が経ち、今年は25周年。


多田 ゲッターズ飯田によると、いい年だそうです(笑)。本当に、今年に入って、25周年ライブのことをやってきたので、これだけを目標にやってきたという感じですね。
善し 単独ライブを初めて11年間の集大成です。時代の変化で、予算は減っているんですが、お金をかけないスタイルでの集大成(笑)。
多田 厳選したネタをやりつつ、お互い思い出に残るいいライブにしたいですね。


――25周年、COWCOWを続けられた理由はなんでしょうか?


善し 僕ら幸いにも、大阪時代にも賞をいただいたり、ちょこちょこですけど、いけるかもって思っていたんですよね。どん底の時も、ナインティナインの岡村さんや東野幸治さん、今田耕司さんたちがすごいあたたかくて、「面白いのにどうして売れないの」って言ってくださったりしたことですかね。


――ピンでネタをやっていた時も、そうした気持ちにズレはなかったわけですね。


善し ピンでネタをやっていただけで、ピン芸でいこうなんて気持ちはさらさらなかったですね。底辺とはいえ、COWCOWとしての出番は、毎月ルミネにすごい数出させてもらっていたんですよ。吉本新喜劇もありましたし、ほぼほぼ毎日、劇場にいるっていう感じでした。

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――劇場番長たる所以ですね。最後に、これからの展望を聞かせてください。


多田 『CDTV』が25周年を迎え、安室奈美恵さんが25年で引退...ある意味区切りですが、僕らは新しいCOWCOWを見せていくことが主体となっていくと思います。新しい僕らを見てください...って言って、新ネタがなかったら、後戻りしてるって、笑けてくるんですけど(笑)。いやでも、『あたりまえ体操』をやらせてもらい、『歌ネタ王』を獲らせてもらったので、新しいリズムネタと言いますか、「あいつら何やってんねん」っていう感じのネタはやるつもりです。
善し 50、60、70代も面白い先輩方がいるので、その年齢まで続けたいですね。続けることが面白くなるとは思うんです。8月のトークライブのゲストに来てくれた笑福亭鶴瓶さんやよしもとの師匠方もそうですけど、年齢を重ねて、より面白味が出ていますよね。


――さらに50周年とかイメージ出来ますか?


多田 単独公演をやられている大先輩もおられますし、それが目標ですよね。そういう方になりたいですよね。そして、がんばって将来はハワイに住みたいな(笑)。
善し ハワイに住みたいっていうのはないですけど(笑)、40歳すぎると、いろいろ見えてくるじゃないですか。人生の折返しは終わっているぞとか、芸能界だけ見ても、この人、歳取ったなあとか、亡くなりはったとか。そういう意味でも、続けたいですよね。隠居もいいですけど、漫才師の先輩、師匠を見ていると、続けているってすごいと思います。


――生涯芸人ということですね。


善し それしかないでしょうね。芸人さんで「引退です」っていう方も少ないですし。


――多田さんがハワイに行っちゃったら、どうするんですか?


善し ハワイでギャグやっているでしょうね。
多田 COWCOWのハワイ公演とかね。


――50周年はハワイ公演って、いいですね。


多田 適当なライブになりそう(笑)。
善し ぜひ、取材に来てください(笑)。


――ぜひ、よろしくお願いします!(笑)


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